ドラマ『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~』で、元アイドル「国宝少女」で今はB級タレントで好感度ワースト1のク・エジョン(コン・ヒョジン)に魅かれてしまう個性的なトップ俳優トッコ・ジンを魅力的に演じたチャ・スンウォン。「コメディーは好きだが大変」と明かすチャ・スンウォンだが、このドラマが人気を得た理由はトッコ・ジンという強烈なキャラを見事に表現した彼の力が大きい。独特の語り口調やせりふで人気を博した彼にインタビューした。
―ドラマが大きな人気を得ましたが、最初から予想しましたか。
「面白く出来上がるだろうとは、思っていました。ホン姉妹のドラマのキャラクターには力があるので、話数を経るごとにそのキャラクターに説得力が出てくるのですが、3~4話が過ぎた頃から、トッコ・ジンはすでにそんな力がついていて、困難はなく演じられました」
―脚本家ホン姉妹(『美男<イケメン>ですね』)の作品を選んだ決め手は。
「ホン姉妹の作品は、漫画チックなものが多いじゃないですか。一部の俳優はそういうジャンルの作品を、難しがるというか、理解できないというんですが、僕はそういうジャンルが大好きな方なんです。だから、そういう作品が一番上手な作家さんですから、信頼感がありました」
―いつも、脚本は納得いくまで話し合うそうですが、今回はどうでしたか。
「電話はしょっちゅうしていました。最初の頃、ある意味ク・エジョンが非好感キャラなのではなく、トッコ・ジンが非好感キャラじゃないですか、いやなヤツだし。そういう過程を経て、人々にそのキャラクターが、こういう人なんだけど、こんな心を持っているんだということを、自然にどうやって示していくのか、という話をたくさんしました。とても偏屈な人なのに、ある日一人の女性を急に好きになるなんて説得力がないから…納得できるよう、こういう過程を経て好きになるんだというような話をよくした覚えがあります」
―トッコ・ジンは国民的俳優で、チャ・スンウォンさんと共通点が多いと思うのですが、似ていますか?
「職業は同じですし、似ている部分はあるでしょう。誰もがトッコ・ジンのように、表には出さないけれど、自分を見せびらかしたいとか、自分の欲があるじゃないですか。そんな部分を隠して生きているだけで、僕の中にもそういう部分があるはずです。外見は強がっているけど、心の中では『これがこうなったらどうしよう』って心配もたくさんするし…やっぱり似ているかもしれません」
―トッコ・ジンという独特なキャラクターを演じるのに最も気を使った点は。
「瞬時の変化ですね。俳優は誰もがいろんな顔を持っているでしょう。僕は、すごく深刻な顔と、いたずらっ子の顔の落差が激しいんです。コメディーもやるし、重いジャンルもやるじゃないですか。人によってはコメディーの後にメロドラマをやると、すごくぎこちない場合もあるんですよ。でも僕はずっとそういうことをしてきたので、すごく自然だったんだと思います。トッコ・ジンが、すごく偏屈な行動をしたかと思えば、裏ではとても深刻な表情で話をするといった行動をすることに自信がありました。受け入れる人が、そんなに不快に思わないという自信が…。だから、ワンカット、ワンシーンの中でも、コメディーにいったかと思うと、メロにもいく、そしてその後、すごく深刻な状況になる、というようなことも、うまくやれたんだと思います」