俳優で歌手としても活躍するユン・サンヒョンが10日、TOKYO DOME CITY HALLにて『ユン・サンヒョン1st JAPAN CONCERT TOUR「BLACK MOUNTAIN」』を開催。立ち見まで3000人のファンが会場を埋め尽くし、熱狂した。
今回の公演は、2月25日の大阪公演、3月2日の名古屋公演に続く全国ツアーのラスト公演。ツアータイトルの「BLACK MOUNTAIN」は登山が趣味である彼が夜に山に登った時に見た夜景や空気感が忘れられず、その素晴らしさをファンに伝えたい、との思いから付けられたものだ。
ライブは日本デビュー曲「最後の雨」でスタート。ストリングスの入った生バンドをバックにアルバム収録曲の「find a paradise」「ココロのドア」と続け、いきなり観客を引き込んだ。
MCでは「名古屋、大阪、今日と全部雨が降ってますね。『最後の雨』なのに意味がないですね、いつも雨で」と笑わせ、「昨日まで風邪でのどの調子が悪かったんですが、今日起きたら信じられないぐらい声がよく出てます」と言ってファンを喜ばせた。
そして東日本大震災1周年を前に被災者を気遣い「これ以上、地震や津波が起こらないことを願い、皆さんに元気になってもらいたいと、今日は一生懸命頑張ります。音楽を通じて心をたくさん通わせたいです」と語った。
韓国でのドラマOSTで劇中でも披露した「Here I am」(シークレット・ガーデン)、そして韓国でヒットした「Never Ending Story」(僕の妻はスーパーウーマン)と続けて歌う頃には会場もヒートアップ。
さらに2月にリリースしたシングル「悲しみにさよなら」のカップリング「情が芽生えたこと気づいていますか」「ふたつのグラス」そして「悲しみにさよなら」など情感たっぷりに披露。また、「Right Here Waiting」(リチャード・マークス)といった選曲で違った趣も見せ「これを聞くと高校時代を思い出します。毎日この歌を歌いました」と語った。
アンコールでは韓国でもヒットした「I Love You」(Position)を披露すると、「この歌では20代の時の彼女を思い出します。この曲が出たのが冬で、カラオケボックスでデートして、いっぱい歌ってあげました」と率直に語ると会場のファンからはどよめきが。「今は皆さんが彼女という思いで歌っています」と続けると大きな拍手が起こった。
そして、ダブルアンコールの「ふたりの夏物語-NEVER ENDING SUMMER-」ではダンスをし、志村けんの声まねを入れるなど、それまでのしっとりバラードのクールなイメージとは違ったコミカルな魅力を見せた。
「皆さん、こういうのがお好きなんですね。今度は、ダンス曲半分、バラード半分にしましょうか?」と言い、『シークレット・ガーデン』のオスカーのダンスも披露するなど、楽しく名残惜しいエンディングとなったが、「皆さん! また会いましょう!」と力強く笑顔で語り、ファンとの再会を約束していた。
「明日、帰国して2本の映画の準備に入ります。少しだけ待っていてください」と俳優活動復帰も告げたユン・サンヒョン。俳優としても、歌手としてもまだまだ上を見据えている様子が見てとれた。