韓国ドラマを席巻する「ファンタジー時代劇」

韓国ドラマを席巻する「ファンタジー時代劇」

 お茶の間で過去から来た皇太子と未来から来た医師の対決が繰り広げられる。

 最近、テレビで時代劇旋風が吹き荒れている中、今回は時代劇なのか現代劇なのか、見分けがつかない新しいファンタジー時代劇ブームの到来を予感させている。

 その時代劇とは、300年前の過去から現代にタイムスリップした皇太子の物語を描く『屋根部屋の皇太子』、150年の時を行き交い、医術を繰り広げる『タイムスリップDr.JIN』、高麗時代に行った医師が主人公の『神医』だ。

 不思議と、今年の地上波ドラマラインナップには、時空を超越する主人公たちの物語が相次いでいる。現代と過去を行き来する設定の中、時代劇と現代劇を行き来する楽しみも同時に味わえるだろう。

■過去から来た王子『屋根部屋の皇太子』

 3月14日にスタートする新水木ドラマ『屋根部屋の皇太子』(SBS)は、皇太子妃を失った朝鮮時代の皇太子と臣下たちが300年の時を越え、現代にやってきたあと、皇太子妃とそっくりな女性と出会い、繰り広げられる出来事を描くドラマ。演出はシン・ユンソプ(『恋人』等)が、脚本はイ・ヒミョン(『不良家族』等)が手掛ける。

 JYJのユチョンが時空間を超越した愛を交わす皇太子イ・ガク役を演じ、『トキメキ☆成均館スキャンダル』(KBS第2)に続き、再び女心をわしづかみにするだろう。ハ・ジミンがあらゆる苦難を経験し、凛々しく生きていたが、過去から来た皇太子と運命的に恋に落ちるパク・ハ役として出演する。

 『太陽を抱いた月』(MBC)の成功で、ロマンス・ファンタジー時代劇の可能性が立証された中、このようなジャンルに魅力を感じている視聴者は、早くも『屋根部屋の皇太子』の放送を指折り数えて待っている。

■150年の時を行き交う天才医師『タイムスリップDr.JIN』

 『タイムスリップDr.JIN』は2012年、韓国最高の医師が時空を越え1860年代の朝鮮時代にタイムスリップし、医師として孤軍奮闘する内容を描く異色の医療ドラマ。

 10年間連載されている日本の漫画家、村上もとかの同名漫画が原作で、2009年に日本のTBSでドラマ化され、大人気を博した作品を韓国の情緒に合わせてリメークする作品。最近、人気上昇中の小説原作のフュージョン時代劇旋風の中で、「興行不敗」のメディカルドラマを組み合わせた設定が絶妙だ。

 ソン・スンホンが演じる主人公ジン・ヒョクは、医師として最高の実力を持っているが、包容力、柔軟性ゼロの天才医師で、150年の時を行き交い、医術を繰り広げる。日本の幕末時代を舞台にしていた原作の設定を朝鮮後期の興宣大院君時代に移す予定だ。

 次回作を慎重を選んでいたソン・スンホンと、昨年『ボスを守れ』(SBS)のチャ・ムウォン役で、韓国ドラマデビューを飾ったJYJのジェジュンの出演が期待を高めている。MBCで5月放送に向け、話し合いが行われている。

■高麗時代に行った女医『神医』

 キム・ジョンハク監督が神医文化産業専門会社を設立し、準備中の新作『神医』も、過去にタイムスリップした医師の物語を描く。特に、主人公が女医という設定が目を引く。2010年11月、数億ウォンの制作費をかけた予告編を早めに公開したが、これまで制作がままならず、紆余(うよ)曲折を経て、最近SBSで7-8月に編成されるという説が有力視されている。

 これまで、何度も台本修正が行われたが、高麗時代を舞台に、タイムスリップを組み合わせたファンタジー医療ドラマという点はそのまま。最近、制作陣は高麗・恭愍王政権期を舞台に、時空を越え医術を繰り広げる女医の物語を描くという方向に軸を置き、出演者を集めている。キム・ヒソン、チェ・ミンス、イ・ミニョンらが出演すると報じられた中、男性主人公をめぐり、キャスティングを行っているところだ。

韓国ドラマを席巻する「ファンタジー時代劇」

チェ・ボラン記者
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