「女として耐えがた恥ずかしさに、一時極端な行動も考えましたが、そのとき私を踏みとどまらせてくれたのが歌でした。どうか歌わせてください」
2008年にナヨンちゃん(仮名)=当時8歳=がチョ・ドゥスン現受刑者に性的暴行を受けた上、身体に障害を負った事件をめぐり、被害者を思いやる曲『ナヨン』をアルバムに収録し騒動となった歌手ALIは、父親と一緒に16日午後5時30分、ソウル市内の祥明大学・祥明アートセンターで記者会見に臨み、自身も性的暴行事件の被害者だということを打ち明けた。
ALIと父親は2008年6月に起きた性的暴行事件を告白した。知り合いだったある団体の後輩から顔を殴られ、ほお骨を折るなど全治4週間のけがを受けただけでなく、性的暴行を受けたという。
ALIは「この事件で、加害者は最高裁判所まで争う刑事裁判で懲役2年、執行猶予4年、社会奉仕命令200時間を言い渡されたが、私に対しては一言の謝罪もなく、現在も民事訴訟中」と語った。
そして「ほぼ同じ時期に犯罪被害者になったナヨンちゃんの気持ちと、私の気持ちはとてもよく似ていると思った。ナヨンちゃんをいたわりたかったのと同時に、性的暴行という犯罪に警鐘を鳴らしたいと思った」と、歌を作った背景を説明した。
ALIは13日にリリースした1stアルバムに、自ら作詞・作曲した曲『ナヨン』を収録したが「歌詞が刺激的で不適切な単語が使われている」との指摘を受けた。そして、この騒動が広がると、インターネットの音楽配信サイトで配信されていた同曲を15日に削除し、CDも全て回収・廃棄処分にすると発表していた。