ケーブルチャンネルMnetの『スーパースターK』、MBCの『偉大なる誕生』などのサバイバルオーディション番組が人気を集める中、アパレル企業が出演者たちをめぐって激しいマーケティング競争を繰り広げている。有名芸能人に負けず劣らず人気の高い、いわゆる「オーディションスター」が着ている服やアクセサリーが、すぐに口コミで広まるためだ。インターネットショッピングのサイトでは「スーパースターKの○○が着ているスカート」「偉大な誕生の○○がかけていた眼鏡」などと宣伝されたアイテムを容易に目にすることができる。
会社側としては「小さな投資にで大きな効果」が得られるため、オーディションスターたちに注目している。広告代理店ビジュコムのソル・スヒョン・チーム長は「人気はスター級だが、まだアマチュアなので比較的低いコストで効果を得られるというのがメリットだ」と話す。また、あるファッション関係者は「将来性のある子にあらかじめ投資するという効果もある」と打ち明ける。
あるアクセサリー会社の関係者は「『スーパースターK3』に商品を協賛するのは、実に大変だ。商品を提供しても業者間の競争が激しいため、反映されないことが多い」と話した。この関係者によると、商品を仲介してくれる広告代理店に何度も電話をかけ、涙ながらに頼み込まなければならないほどだという。
最近のオーディション番組は、企画の段階から数億ウォン(数千万円)もの協賛金を受け取ってメーンスポンサーを決めるという。このため、ほかのファッション関連企業の協賛競争は当然激しくなっている。『スーパースターK』の場合、第一毛織の「BEANPOLE」が、『偉大なる誕生』はLGファッションの「HAZZYS」がそれぞれメーンスポンサーを務めているため、各番組の出演者は、このブランドの服を着るのが原則となっている。そのため事実上、これらの企業が手掛けていない眼鏡、靴、帽子、ジュエリーなどの小物アイテムに限って(他の会社が)協賛できる。『スーパースターK3』の専属スタイリストのチョン・ユンギさんは「協賛の申し込みは多いが、メーンスポンサーの商品を中心に着るため、他のブランドで身に着けるのはアクセサリー程度だ。必要な小物を依頼すると、自社が協賛社になろうと焦り出す」と話した。
しかし、全ての出演者をめぐって協賛競争が繰り広げられているわけではない。歌だけでなく外見も美しく、スタイルの良い数人の出演者だけが主なターゲットだ。昨年『偉大なる誕生』に衣装を協賛したある会社の関係者は「実力はやや劣るが背が高く、容姿がずば抜けて良い男性出演者をめぐり、多くの紳士服ブランドの間で競争が繰り広げられた」と話した。さらにこの関係者によると、一部の業者は「実力は優れているが、背が低く容姿が平凡な出演者には、絶対にうちの服を着せないでくれ」と頼んでいたという。