グンソク「本物の『アプ』『ワルプ』になりたい」

インタビュー:「次世代韓流スター」チャン・グンソク

▲映画『きみはペット』の「ペット」インホを演じているチャン・グンソクは5日、ソウル市鍾路区のカフェでインタビューに応じ、「『チャン・グンソクが出る映画なら見るだけの価値がある』と言われるくらい、俳優として信頼されたい」と語った。写真=李徳熏(イ・ドクフン)記者
▲ ▲映画『きみはペット』の「ペット」インホを演じているチャン・グンソクは5日、ソウル市鍾路区のカフェでインタビューに応じ、「『チャン・グンソクが出る映画なら見るだけの価値がある』と言われるくらい、俳優として信頼されたい」と語った。写真=李徳熏(イ・ドクフン)記者

 男性の権利を守るという市民団体「男性連帯」はこのほど、「『きみはペット』という映画は女性が主人、男性が犬として登場、女性と男性を『飼い主とペット』という関係で描写している」とし、ソウル中央地裁に映画の上映禁止仮処分を申請した。「男性の人格を冒涜(ぼうとく)している」という理由からだ。

 キム・ビョンゴン監督の映画『きみはペット』(10日公開)は、高学歴で有能な30代の未婚女性チ・ウニ(キム・ハヌル)が、行くあてのないダンサーで年下男のカン・インホ(チャン・グンソク)と同居するというストーリー。ウニはインホに「モモ」という名前を付けて寝床と食べ物を提供する代わりに、インホはウニを「御主人様」と呼んで忠実に従う。映画のタイトル通りインホがウニの「ペット」になるのだ。映画の原作となった同名の日本の漫画は「働く30代女性のファンタジーを描いた」と評価され、日本でも韓国でも大きな人気を呼んだ。

 5日、ソウル市鍾路区のカフェで『きみはペット』の「ペット」インホ役を演じたチャン・グンソク(24)に会った。男性連帯がこの映画に対し問題提起をしたという話をすると、彼は一言「男性を差別しているようなことを言っているね。(ヒロインの)女性の方が年齢も上だし、仕事もできる。僕が愛嬌(あいきょう)を振りまけば、すぐに夕食のおかずが良くなるんだから(ペットみたいな振る舞いが)できないことはない」と答えた。そして「男のプライド? プライドだけの男には魅力がないでしょ」と言い切った。

 『きみはペット』はチャン・グンソクのファンでなければ見るのがつらい映画だ。ロマンチック・コメディーだが、登場人物同士の感情はうまく生かされておらず、コメディー部分も弾んでいない。だが、その代わりというかチャン・グンソクがずっと踊ったり歌ったりして愛嬌を振りまき続ける「チャン・グンソク詰め合わせ」的な作品だ。「台本を初めて読んだ時、僕にピッタリな映画だと思った。のらりくらりとしながらずうずうしくて、すごくイタズラっぽいのがよく似ているから、研究する必要のない役だった」という。「愛嬌(あいきょう)を振りまくシーンを見るのがもどかしかった」と記者が言うと、「そういう狙いで作られた映画でしょ? 想定内の反応。お客さんは『もどかしい』と言いながらも、インホが画面からいなくなると彼を探す。もう一度見てみてくださいよ。そうすればハマるから」と答えた。

 5歳の時に子ども服のモデルでこの世界に入ったチャン・グンソクは、来年芸能界デビュー20周年を迎える。「ほかの人とは違う子ども時代を過ごしたけれど、もう一度あのころに戻ったとしても同じ道を歩んだはず。俳優という仕事を選んだからいろいろな所に行けたし、いろいろな人に会うことができた。自分自身の殻を破ってさまざまな試みができるのがいい。僕は『ませた子ども』だったんです。5歳の時から大人と一緒に仕事をしていたんだから当たり前でしょ。この世界で誰が子役を認めてくれるでしょうか。しかられないように、次の作品にも端役でいいから出たいと思い、一生懸命仕事をするしかなかったんです」

 チャン・グンソクはドラマ『美男<イケメン>ですね』に出演、日本や中国でブレークし、「次世代韓流スター」としてクローズアップされるようになった。日本でこのドラマが放送された時は同時間帯視聴率1位を記録、デビューシングル「Let me cry」もオリコンシングル週間ランキングで1位になった。海外アーティストのデビュー作初登場1位はこれが初めてだ。

 「一時、ファンが4人ずつ乗ったタクシー20台が家の前まで追いかけてきた。ツイッターに困っているとツイートしたら、今はそういうのがなくなったけれど。それでも人の目を避け隠れたりはしないよ。街中もよく歩くし、学校にもちゃんと通っている。家の中に閉じこもっていたら、世の中のことを見たり、演技の糧になるものを得たりできないでしょ。人と話をしてぶつかり合ったり観察したりしたものを次の演技で生かさなきゃ。人がどのように暮らしているのかいつも研究するのが俳優だと思うから」

 今後の予定について質問すると、チャン・グンソクは「まずは『アプ』、その次は『ワルプ』」と答えた。「アプ」は「アジアプリンス」、「ワルプ」は「ワールドプリンス」の略だそうだ。ツイッターのアカウントは「AsiaPrince JKS(チャン・グンソクのイニシャル)」で、「アジアのプリンス」と書かれている名刺も作ったという。「『アジアプリンス』は誰かが付けてくれたのではなく、僕がそう言って騒いでいるんです。そう言っておいて何もしなければ情けなくなると思ったので、そうなれるようにすごく頑張ろうって。CDのレコーディングでも、演技でも、絶対にいい加減にはしない。本物の『アプ』『ワルプ』になりたいですから」。

ピョン・ヒウォン記者
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