韓国で最も権威のある2011年の青龍映画賞は『不当取引』が受賞し、話題をさらった。
25日夜、ソウル市内の慶煕大学「平和の殿堂」で、イ・ボムス、キム・ヘスの司会進行により開催された第32回青龍映画賞授賞式では、リュ・スンワン監督の『不当取引』が、『高地戦』『最終兵器 弓』などのヒット作を抑え最優秀作品賞に輝いた。『不当取引』は、巨大な権力機関の癒着など、韓国社会の暗部にスポットを当てた問題作で、ファン・ジョンミンとリュ・スンボムが主人公2人を演じた。受賞のコメントを求められた映画制作会社「外柔内剛」の代表でリュ監督の妻でもあるカン・ヘジョンさんは「思いも寄らない受賞。青龍映画賞の公正さを信じるようになりました」と述べた。
主催側はこの日、全ての賞の内容を事前に公開せず本番で発表したため、授賞式は2時間にわたり張り詰めた雰囲気の中で行われた。
授賞式の花である主演女優賞は『ブラインド』のキム・ハヌルに贈られた。同じく主演女優賞にノミネートされていた中国人女優タン・ウェイに祝福されながら壇上に上がったキム・ハヌルは「これまで良い作品に出演させていただき、何度もノミネートされましたが、賞はいただけませんでした。今この瞬間に賞をいただけることに感謝申し上げます。とてもありがたく、より大切な思いを強く感じます」とあいさつした。キム・ハヌルはこの作品で謎の連続殺人犯に立ち向かう視覚障害者の役を演じた。
主演男優賞は、今年の韓国映画最高ヒット作『最終兵器 弓』のパク・ヘイルが受賞した。朝鮮最高の弓の名手役で息詰まるアクションと激しい感情を表現したパク・ヘイルは「『嫉妬(しっと)は私の力』で青龍賞新人男優賞にノミネートされたとき、コチュジャンを記念品としていただきました。今はすごい作品の準備をしています」とかぶっていた帽子を脱いであいさつした。すると、帽子の下からは髪の毛1本ない見事な丸刈りの頭が。それを見た客席からは拍手が巻き起こった。パク・ヘイルは、チョン・ジウ監督の新作『ウンギョ』に出演するため頭を丸刈りにしたという。