再起目指すタレントたち、痛ましい街頭PR作戦

再起目指すタレントたち、痛ましい街頭PR作戦

 18日朝、ソウル・光化門広場。出勤途中の人々に近づき、チラシやポケットティッシュを配る5人の男性がいた。選挙運動員か、あるいは銀行・保険会社の営業社員かと思ったが、近寄って見ると、よく知る顔の男たちで驚いた。その5人はコメディアンのイ・ヒョクチェ、キム・ギス、ヤン・ベチュ、3人組グループCOOLのメンバーだったキム・ソンス、俳優ホン・ソクチョンだった。

 彼らは出勤途中の人々に自分たちが出演する番組のPRをしていた。OBSテレビが8日から毎週土曜日夜8時15分に放送している『更生バラエティー ハバナ』だ。「ハバナ」は「ハジャ(やろう)」「バックチャ(変えよう)」「ナヌジャ(分かち合おう)」という意味の韓国語の1文字目を合わせた言葉で、レギュラー5人がロケに出て、与えられた任務を遂行するという企画になっている。

 初回放送で海兵隊式の訓練を受けた5人は、今後も一人暮らしの高齢者の入浴など、ボランティア活動を行う予定だ。この番組は「更生バラエティー」であり、一部レギュラーメンバーにとっては「自粛からの起死回生バラエティー」でもある。この日のPR作戦は29日に放送される予定だ。番組の勢いが他局の看板バラエティー番組を下回っている上、撮影の一部だとはいえ、有名タレントが街頭でPR作戦を展開するのは異例のことだ。

 これは「何とか再起しなければ」という出演者たちの切迫した状況と無関係ではない。イ・ヒョクチェは一時、バラエティー番組でオファー優先順位ナンバーワンだったが、昨年1月に暴力沙汰に巻き込まれ、番組から締め出された。『ギャグコンサート』の人気者だったキム・ギスはセクハラ容疑で裁判にかけられ、一審・二審とも無罪判決が出たものの、その後遺症は大きかった。キム・ソンス、ヤン・ベチュ、ホン・ソクチョンも人気上昇中とは言いがたい状況だ。

 制作サイドは、番組にイ・ヒョクチェとキム・ギスの母親による映像メッセージをサプライズで登場させた。このため、インターネットの検索ワードランキングで「キム・ギス 母 むせび泣き」が上位に入るなど、同番組は話題作りには成功したが「同情を集めようというマーケティング手法はどの程度まで許されるのか」と議論を呼んだ。

 番組の企画に参加し、レギュラー陣の隊長役になったイ・ヒョクチェは24日、本紙との電話インタビューで「重大な過ちを犯しても、十分に反省し自粛したと思われる芸能人については、もう一度チャンスが与えられるというムードになれば」と慎重に言葉を選んで語った。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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