TABLO、1年半ぶりインタビュー

「『熱の花』乗り越えた今は幸せ」
ネットのデマでバッシング、レコーディングで乗り越える
「もう大きな夢はない、望むのは家族の幸せだけ」

TABLO、1年半ぶりインタビュー

 「怒り、憎しみ、憎悪…。こうした気持ちを抱いたのは僕ではなく、騒ぎを起こした人たちでしょう。事実というのは信じるとか信じないとかの問題ではないから」

 2009年、一部ネットユーザーから「米国のスタンフォード大学を卒業したという学歴は詐称」と攻撃され、音楽活動を中断していたヒップホップグループ「Epik High」のTABLO(31)=本名:イ・ソンウン=がこのほど、初のソロアルバム『熱の花』をリリースした。10日午後、ソウル市麻浦区のYGエンターテインメント本社ビルで会ったTABLOはひどくやせていた。そして「今は幸せ。僕を憎む人たちも、彼らが胸を痛めることがあった時には僕の歌を聞いて癒やされてほしい」と許しの言葉を口にしながらも、「なぜこんなことが起きなければならなかったのか、いまだに理解できない」と言った。

 「音楽を通して、『痛み』という感情が和らぎました。『音楽はやめる』と一度は決心しましたが、『音楽をやらなければ僕はおかしくなってしまうかもしれない』とも思いました。感情を音楽で表現してみると憎しみや怒りはすべて消え、結局残ったのは感謝の気持ちだけでした。音楽をやるということは、僕にとって特権ではなく幸せだったんです」

 ソロアルバムのタイトル『熱の花』について「今年初めに熱を出した娘の世話をしていて思いつきました」と話す。高熱で苦しんでいた娘の顔に「熱の花」(発疹〈ほっしん〉)が出たのを見つけ、妻で女優のカン・ヘジョンに言うと、「これから熱が下がる証拠よ」と言われたという。「『熱の花』は『痛みがピークに達し、もう終わる』ということなのですが、その時期を乗り越えられずに力尽きてしまう人もいます。僕は『熱の花』ができて、治まってきたところです。音楽を聞いてもらって愛してもらえるのはすばらしいし、驚くべきことですよ」。

 TABLOがスタンフォード大学を卒業したという学歴は警察の捜査で事実と確認され、インターネット上にデマをばらまき「魔女狩り」をしようとしていた人々は現在、TABLOの名誉を棄損した疑いで裁判を受けている。これについてTABLOは「もう僕とは関係ない裁判です。よく分かりません」と口を閉ざした。

 「僕を再び立ち上がらせてくれたのは、妻と1歳6カ月になった娘。またつらいことが起きたとしても、守るべき家族が2人もいるから動揺したりしません。結婚前は僕にとって自分より大切なものがあるなんて気付きませんでした。青臭いことに『僕は自分自身より音楽を愛してるんだ』なんて言っていましたが…笑っちゃいますね」

 TABLOは最後に「つらい経験して、恐怖を克服し、成長し、再び立ち向かうということを繰り返しながら生きるのが人生だと気付きました。周りの人たちには『何だか分からないけど随分変わった』と言われます。『TABLOはちょっとつまらなくなった』と言う人もいるかもしれません。僕には目標とか夢とか、そういうものはもうないんです。僕の娘がずっと笑っていられるなら、それだけで十分幸せです」と率直な気持ちを口にした。

TABLO、1年半ぶりインタビュー

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シム・ヒョンジョン記者
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