夜の釜山・広安里海水浴場に華やかな花火が上がった。音楽とともに広安大橋の上に花開いた花火約8万発は、闇夜を昼間のように明るく照らした。
10月22日、広安里海水浴場の「第7回釜山世界花火祭り」会場。毎年大勢の人々が訪れるので、早目に海水浴場に出た。あいにくの天気にもかかわらず、会場はやはり観客で混雑している。そこで、ピンク色の服でおしゃれをしたキム・ミジャさん(65)=釜山市北区=に出会った。
毎年この花火祭りを訪れるというキムさんは「祭りに来るようになっていつの間にか7年目。最初に花火祭りが開催された時の感動は忘れられません。夜空に広がる花火を見るとうっとりします」と語った。
それでも、最初のころと変わったことがあるか尋ねると「毎年、花火が華やかになって、見どころも増えていると思います。ライブ公演も老若男女誰もが気軽に楽しめるのでいいですよ。今年は最大規模だそうなので、とても楽しみです」と教えてくれた。
海水浴場が闇に包まれると、中央ステージでは祭りの開始を告げるライブ公演が始まった。この日はアンデスの音楽や打楽器パフォーマンス、ヒップホップ、招待国の伝統公演などが行われた。特にヒップホップ公演は、B-boy(ブレークダンサー)たちと市民が一緒になって楽しむステージで盛り上がった。
花火祭りの本番が始まった。この日は世界4カ国(米国・中国・ポーランド・日本)が参加し、1時間にわたり花火を打ち上げた。各国のチームがそれぞれ個性を生かし、花火を15分ずつ披露した。
最初に打ち上げた米国に続き、中国、ポーランド、日本の順に「花火の競演」が続く。過去の大会で1位になった中国は「赤壁」をテーマに、赤い大小の花火を大量に打ち上げた。中国の伝統音楽に合わせ「ポン」という音を響かせる花火は壮大なスケールで、中国独自のカラーを見事に表現していた。
今大会で1位になったポーランドはクラシック音楽に合わせ一幅の絵のようなカラフルな花火を、最後に登場した日本は「希望と夢」をテーマに東日本大地震の逆境を乗り越えるという決意を花火で表現した。
参加国の花火が終わってから、韓国のフィナーレ公演が続いた。5分間ほど華やかに夜空を彩った花火は観客に一生忘れられない思い出をプレゼントした。
この日、花火を楽しんだアマンダさん(24)=米国=は目を輝かせながら「韓国旅行中に釜山で見た花火はとても幻想的でした。いい思い出になりました。来週はさらに規模が大きくなると聞いたので、ぜひまた友達と一緒に来ます」と語った。