インタビュー:骨折のボビー・キム、再起への思い

下半身まひの危機を乗り越え、再起

「人生の生きがいを感じている。Buga Kingzは僕の半身」

▲ボビー・キムはインタビューで、「自分を満足させるための歌には、意味がない。聞く人の心を癒やし、心が通じ合える音楽が本物」と話した。また「思い切り遊んでくるという気持ちで、コンサート会場に来てほしい」とも語った。/写真=イ・ドクフン記者
▲ ▲ボビー・キムはインタビューで、「自分を満足させるための歌には、意味がない。聞く人の心を癒やし、心が通じ合える音楽が本物」と話した。また「思い切り遊んでくるという気持ちで、コンサート会場に来てほしい」とも語った。/写真=イ・ドクフン記者

 「音楽が何なのか、まだ分からないですが、歌は少し分かってきました。率直さが必要。心を込めて歌えば、大衆の共感を得ることができます」

 韓国のヒップホップ第1世代で、ソウル音楽の真髄を見せたことから「ソウルの帝王」と呼ばれるデビュー17年目のアーティスト、ボビー・キム(本名:キム・ドギュン)=38=。1994年、Dr.Reggaeのメンバーとして歌手活動を始めた彼は今年、「生まれ変わった」という。

 4月にビルの2階から転落し、下半身がまひするかもしれないという診断まで受けていたボビー・キムは、2カ月で危機を克服し、活動を再開。バラエティー番組『私たちの日曜日の夜』(MBC)の人気コーナー「私は歌手だ」に出演中で、来月には1998年から活動している3人組ヒップホップグループBuga Kingzの名前で、4thアルバムをリリースする。10月1日には、ソウル・オリンピックホールで全国ツアーコンサート「Soul Together」も開催。そんなボビー・キムと9月21日午前、ソウル・光化門のカフェで会った。

-4月の事故は、ショックが大きかったのでは。

 「24時間横になっていて、地獄のようでした。“このまま終わってしまうのか”“何か悪いことでもして、神様が罰を下したのではないか”と。“また歩くことができたら、善良な人間になる”と祈っていました。そしたら奇跡が起きて、手術せず、リハビリ治療だけで、1カ月半で歩けるようになって。8月からはサポーターを着けて、活動を始めました。そんな素振りは見せないようにしていましたが、大変でした。脊椎(せきつい)だけでなく、肋骨も折れていたので、呼吸も一苦労。歌手にとっては致命的なことなので…。歩くことと呼吸から練習しました」

-今活動するのは、無理ではないか。

 「アルバム制作、『私は歌手だ』の収録、コンサートのけいこが休みなく続いていますが、忙しいほうがいい。Buga Kingzは3年半ぶりのニューアルバムをリリースします。作詞・作曲・プロデュースを手掛け、今は仕上げ段階。カラーがはっきりした曲を選んでいます。Juvie Train、Gan-Dがすごくこだわっていて。“兄さんはずっとアルバムをリリースしていたけど、僕らは3年ぶり。兄さんはちょっと黙ってて”と意欲を見せています(笑)」

-Buga Kingzのボビー・キムと、ソロアーティスト、ボビー・キムの音楽はどう違うのか。

 「昼と夜、または夜と昼という形で比較することができます。昼間、友人たちと遊び回るときはBuga Kingzの音楽を、夜遅く一人寂しく昔のことを思い出すときはボビー・キムの音楽を聴けばいい。また、昼間一生懸命に仕事をしたときはボビー・キムの曲、友人と朝まで飲み明かすときはBuga Kingzの曲がぴったり」

-Buga Kingzは、ボビー・キムの大衆的な人気に及ぶことができないのが実情。それでもBuga Kingzの活動を続ける理由は?

 「僕の半分はボビーで、残りはBuga Kingz。“人気があるんだから、Buga Kingzを辞めて、ソロ一本にしたら”と言う人もいますが、そうはできませんでした。義理だろうが何だろうが、僕自身がBuga Kingzそのものだから。Juvie Trainが入隊している間、メンバーの同意の下、ソロ活動を始めました。メンバーは兄弟、それ以上の関係なので、いつもお互いを励まし合っています」

-どんなコンサートになるのか。

 「自分のすべてを見せるつもり。これまで歌ってきたドラマの主題歌、穏やかなバラード、Buga Kingzの楽しいステージを準備しています。Buga Kingzの新曲も披露する予定。僕が作曲した曲につづった愛の話も聴けます。それから、父との共演も。父に『クジラの夢』のトランペット演奏をお願いしました。いつも聞いているトランペットの音なのに、のどが詰まって歌に集中できないぐらい、毎回胸にジーンときますね」

-ボビー・キムが考えるボビー・キムの魅力は?

 「率直さと忍耐心かな。普段の性格はナーバスな方ですが、大きなことを控えると忍耐心が優れている方なので、11年の下積み時代もよく堪えました。後輩たちにもクールに忠告します。実力不足で将来が真っ暗なら、“あきらめろ”と言います。僕を恨んでもしょうがない。その人のためなら、正直に言うのが正解。僕もやっと生きがいを見つけたところなのに、やみくもに待てとは言えませんね」

-2年後は40歳です。やりたいことがあれば。

 「グループサウンド、それから男性アーティストとのデュエットもしてみたい。それができるのがコンサートのステージなら、休むことなくコンサートを続けようと思います。そしてもう一つ、誰かを愛し、恋愛したいです」

シム・ヒョンジョン記者
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