仁川から船で1時間の所にある「徳積島」は島という感じがしない。マツが生い茂り連なる山々は、地方の山地のようだ。
松林に設けられた遊歩道は緑がいっぱいで、木々の間から見える海水浴場はまるで粉砂糖を振りかけたかのように白く美しい。
少し前の週末、徳積島に向かう船に乗った。仁川沿岸旅客ターミナルから出発した船は、約1時間で島に到着。澄んだ青空の下に広がる島を目にすると、旅への期待が高まる。
島に着くと、まず最初にバスの時刻をチェックした。この島にはバスが2台しかなく、路線も島の南西側「西浦里」へ向かうルートと、北西側の「北里」に向かうルートの二つしかない。
まずは、多くの観光客が訪れる西浦里に向かった。船着場を出発し、面事務所(村役場)や学校を通り過ぎ、曲がりくねった道に入った。山の中腹にたどり着くと、島を一望できるあずまやがあった。
あずまやから正面を見ると、山のすそ野が幾重にも広がり、その間には白い砂浜が見える。そこは徳積島を代表するリゾート地「西浦里海水浴場」だ。
海水浴場を歩くと、緑色の水草がポツポツと生えているのが見えた。まるで小さな天然芝の球場のようだ。ここは水温が高い上に水深が浅いため、子どもたちが浜遊びをするのにはピッタリだ。海水浴場の両側には磯があり、クロソイ・ヒラメ・ウナギなどが釣れる。
海水浴場の裏手には、2007年3月にオープンした「西浦里ウエルビーイング森林浴散策路」がある。ここは海水浴と森林浴が同時に楽しめる森林遺伝資源保護林だ。森林浴に最適なマツが群生しており、子どもからお年寄りまで楽しめる。
西浦里を一周してから、北里方面にある「陵洞小石庭」を訪れた。ここは丸い石や大小の小石が一面に広がっている。
入口から30メートルほど離れたところには、空に向かってすっくと立つ「ソンドル岩」があり、回りの奇岩と織りなす風景はまるで一枚の絵のようだ。別名「ラクダ岩」と呼ばれており、横から見るとラクダの頭や背中によく似た形をしている。
次に「北里」へと向かった。ここには赤い灯台があり、夜は周囲を照らしてくれる。島で最も魚がよく釣れるスポットとしても知られ、大勢の釣り人が集まる。
このほかにも、徳積島はククス峰(314メートル)やピジョ峰(292メートル)のハイキングコースが有名だ。樹齢数百年というアカマツ林がうっそうと生い茂り、短くて2時間、長ければ6時間のコースになっており、ハイキング客に人気のスポットだ。
※徳積島海上交通ガイド
1.仁川沿岸旅客ターミナルからのアクセス
高麗高速フェリー(株):沿岸埠頭から1日2‐3便運航 所要時間60分(高速船)
(株)テブ海運:沿岸埠頭から1日1‐2便運航 所要時間2時間40分(貨物船)
2.パンアモリ船着場からのアクセス
(株)テブ海運:1日1‐2便 所要時間1時間40分(貨物船)