『フルハウス』のロケ地に日本人留学生「すごい!」

 「日本で放送されたドラマ『フルハウス』を見て韓国が好きになりました。ドラマで見た家の実物を見ることができるなんて夢のようです」

 仁川の矢島にあるドラマ『フルハウス』のセット場を訪れた大山真由さん(21)は感嘆の声を上げた。現在、江原大学に交換留学生として留学中の大山さんは、韓国の音楽を口ずさみ、韓国ドラマを欠かさず見ている大の韓流ファンだ。韓国に来たのも韓国が大好きだったからだ。

 そんな大山さんが先週末、日本人の友人、奥口純子さん(20)と一緒に仁川の矢島を訪れた。数年前、日本で見た韓国ドラマ『フルハウス』のセットがあるのだ。歌手で俳優のRAIN(ピ/チョン・ジフン)の大ファンという奥口さんは、旅行に出発する瞬間から喜びに胸を膨らませていた。


 永宗島の北側にあるこの地は、信島、矢島、茅島という三つの小さな島が橋でつながり、まるで一つの島のようになっている。特に、矢島はドラマ『フルハウス』『悲しき恋歌』などのロケにも使用され、きれいな砂浜と美しい海岸のある水気海水浴場も人気だ。

 矢島船着場から車で約10分走ると、広い砂浜に到着した。ここには白い二階建ての家がある。それを見た大山さんは「フルハウスだ!」と叫んだ。大山さんは「日本では『冬ソナ』の次に人気があるドラマが『フルハウス』なんです」と言いながら、家の中に入った。

 ここは2004年に放送されたドラマ『フルハウス』の撮影セットだ。RAINとソン・ヘギョが出演して人気を集めた同作品は、日本でも高い関心を呼び、韓流ブームに拍車を掛けた。


 ドアを開け「わーっ!」と感嘆の声を上げた二人は「本当にRAINがここに住んでいたの?」と家の中を隅々までのぞいた。

 ここにはドラマに登場する広いリビングと、リビング中央から2階に上る階段がある。リビングはキッチンとつながっているため、とても広く見える。このほかにも、家の中のあちこちには、ドラマの撮影で使用した小物がそのまま飾られている。

 1階を見学した二人は、中央の階段から2階に上がった。2階で最初に入ったのは、ドラマに登場するRAINの部屋だった。


 「すごーい! RAINのベッドだ!!」  二人は並んでベッドに横になった。

 大山さんはベッドに横になったまま「私が最初に好きになった韓国の歌手はRAINです。ドラマを見ながら、私がヒロインになってRAINと一緒にいるところを想像したりしました」と照れくさそうに話した。大山さんの話しぶりからも、日本での韓流ブームが想像できた。

 撮影セットの目の前には、ドラマに出てきた水気海岸が広がっている。海水浴場は引き潮のため干潟になっていたが、あちこちでカップルや家族連れが楽しそうにカニや貝を採っていた。


 二人も、ここまで来たついでにカニや貝を採る干潟体験をした。干潟で遊び終わった二人は、ドラマ『悲しき恋歌』の撮影セットに向かった。

 セットの入り口に到着した二人は「きれい! すごい!」を連発しながら、撮影セットの周りを見学した。入り口のフォトゾーンで記念撮影をした奥口さんは「『悲しき恋歌』ではクォン・サンウが本当にかっこよかった」と再び韓国ドラマの話を始めた。


 現在、ここは内部の修理中で、セットの中には入ることができなかった。しかしセットの周囲にはベンチが用意され、森の中の景色を見ながら休憩できるようになっている。

 撮影セットを見学した後、「茅島」へ向かった。70世帯ほどしかない茅島は、ペミクミ海岸と彫刻公園が見どころだ。この公園には彫刻家のイ・イルホさんの作品が百点余り展示されているほか、官能美をテーマにした超現実主義の作品が多数展示されている。

 全ての見学を終えた二人は、船着き場の近くにある食堂に入った。二人は日本でよく食べる刺身ではなく、貝の入ったカルグクス(韓国式の手打ち麺)を食べることにした。

 この店のカルグクスに使われている貝は「白ハマグリ」といい、貝の中でもアワビ以上の高級な貝で、昔は王の食卓にも上がった貝だという。アサリより大きいこの貝は、百種以上の模様があるということで韓国では「百蛤」とも呼ばれている。


 カルグクスは、二人で食べてもお腹が一杯になるほどの量だった。スープの中の貝を食べた奥口さんは「シコシコした歯ざわりがいいですね」と言いながら、大山さんにも貝の身を分けてあげた。大山さんは「日本でも貝を使った鍋料理をよく食べますが、麺と一緒に食べるとまた違った味わいですね」と話した。

 食事を終えた二人は、船着き場から仁川行きの最終便に乗った。遅い時間だったにもかかわらず、その時間に島を訪れる観光客もいた。

 信島、矢島、茅島行きの船は、永宗島船着き場から毎時間運航されている。詳しい運航時間は関連ホームページを参照。

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