日本人女子大生「スリル満点! 韓国で川下り」

 夏にピッタリのレジャースポーツと言えばラフティング(川下り)、バンジージャンプ、マウンテンバイク、四輪バギー…。中でも、太陽の季節の醍醐味(だいごみ)を存分に、そして最も躍動的に楽しめるのがラフティングだ。曲がりくねった川の波をかき分け進むラフティングは、想像するだけでもスリルたっぷりだ。

 先週末、ラフティングにチャレンジする日本人留学生オクグチ・ジュンコさん(20)とコバヤシ・ナナエさんに(21)に同行し、手付かずの大自然がそのまま残っている慶尚北道奉化郡の「イナリ川」に向かった。



若さと自由の「無限なる挑戦」-奉化「イナリ川」ラフティング

 奉化郡春陽面西碧から始まる雲谷川と、太白山の黄池を源泉とする太白川が合流、洛東江の始発地となる水の流れ。この二つ(韓国語で「イ」)の「ナリ」(川を意味する方言)が出会い、美しい清涼山の12峰を縫うようにに流れ、絶景を成しているのがイナリ川だ。

 明湖遊園地から清涼山登山口までの12キロを下りながら、スリルと冒険、ロマンと団結力を養うラフティングは、ガイドさんの分かりやすい指導を聞いた後、ライフジャケットとヘルメットを身につけ、ゴムボートに乗るところから始まる。足をフックに引っかけ姿勢を安定させたところでボートが出発した。


 出発地点から70メートルほど川を下ると、最初の早瀬(川の流れの急な所)が現れた。ボートは「ゴ、ゴ、ゴオオーッ」大きな音を立てながら、渦巻く急流で激しく揺れる。

 ボートが一瞬、左右に大きく傾き、片側が宙に浮かぶことも。そのスリルにボートをこぐ誰もが「ワーッ!」と声を上げた。

 川の流れにちょっと慣れたかな?というころ、イナリ川ラフティングコースで一番の絶景が楽しめる白竜潭に至る。ここでガイドさんは「ちょっと休んでいきましょう」と、ボートを川辺の岩に寄せて止めた。そこは高さ5メートルの岩場で、飛び込みをする人も多いスポットだ。

 水遊びをしたり、一休みしたりと思い思いの時間を過ごした後に待っているのが急流下り。流れがうねる急流地域2カ所を無事通過すると、向こうの方にゴール地点のオマ橋が見えた。ボートが出発してから1時間半たっていた。


 オクグチさんは「やっと着いたけど、怖くて気を失いそうになりました。それでも無事着いてよかったです」、コバヤシさんは「乗る前は怖かったですが、いざ乗ってみると思ったよりずっと楽しかったです」とホッとした表情になった。

 二人は疲れ切った様子だったが、「力を合わせて一緒にやり遂げた」という誇らしさから満面の笑顔を浮かべていた。

 「奉化イナリ川ラフティング」のチェ・ギジュ代表は「イナリ川ラフティングコースは川幅が40-50メートルと広く、水深2-3メートルの急流ポイントが4カ所あります。江原道の内麟川や漢灘江と比べるとスリルは少ないかもしれませんが、水の流れが急すぎず、岩場などの危険な場所もないため、女性やお子さんも安心して楽しめます」と教えてくれた。



500年の歴史を持つ「安東権氏」の村-タルシル村

 ラフティング後にやって来たのは、同じ奉化郡の奉化邑にある、韓国の伝統が息づく村・タルシル村。1519年の己卯士禍(きぼうしか、急進派の若い官僚たちが王の中宗に上訴し、失脚させられた事件)の時、名臣と言われた権ボル(クォン・ボル、ボルはきへんに「発」の旧字体)=1478-1548=が官職を退いてから暮らした所だ。安東を一族の発祥地とする「安東権氏」が集まる村で、500年近くその伝統が続いている。


 慶州の良洞村、豊山の河回村、安東のネアプ村と共に、忠清道・全羅道・慶尚道地方で風水上の4大良地と言われるタルシル村は、朝鮮時代の地理書『択里志』の著者・李重煥(イ・ジュンファン)が「『福』が逃げるすきがどこにもない」と絶賛するほど素晴らしい風水的地理条件を備えている。


 本格的な夏休みシーズンが始まった。しかし、「まだどこに行くか決めていない」という方は、人出が多いリゾート地よりも力を合わせて川下りをするラフティングや、韓国の伝統精神・作法が学べる奉化に足を向けてみてはいかが?

※TIP
イナリ川ラフティング
住所:慶尚北道奉化郡明湖面観漲里879番地
TEL:054-673-5010

タルシル村
住所:慶尚北道奉化郡奉化邑楡谷里963番地
TEL:054-674-0963

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