インタビュー:『新妓生伝』のシンデレラ、イム・スヒャン(下)

-演技で一番つらかったのは?

 「お客さんの相手をするため、髪を結い上げた日。10シーンのうち、9シーンが泣く演技でした。髪を結いながら泣き、恋人ア・ダモが押しかけて来て大乱闘を繰り広げては一緒に大泣きし…力ががくんと抜けました。好きな人に自分が捨て子だったことを告白するシーンなど、ドラマではずっと笑顔を見せながら視聴者の皆さんを泣かせなければならない場面が多かったです。そうした難しいシーンも、やっているうちに感情移入できるようになりました」

-少しハスキーで落ち着いた声が独特だと言われているが。

 「タン・ラサンは意思ははっきりしていますが、自分を前に出そうとはしません。役をそう分析して、普通よりも低い声で演技したところ、反応が良かったんです。視聴者の皆さんは年輪や信頼を感じてくださったようです。それに、私ははっきり言って老け顔(笑)。そうしたところも(役に)合っていたようです」

-現代版「す巻き」、男の腹筋で洗濯するという想像シーン、そして終盤には謎の幽霊まで登場した。出演者は、こうした設定が奇妙だとは思わない?

 「『腹筋洗濯シーン』は本当に楽しい撮影でしたが、セクハラ論争に火が付き、少し戸惑いました。正直言って、そうした設定にする脚本家の先生の意図は分かりません。オーディションのときに一度お会いしたきりで、それからは全くお会いしていません。演技に関する指摘は、台本にメモを付けておいてくださいます。打ち上げパーティーでもお会いできなさそうです」

-先輩俳優たちにかなり助けられたと聞いているが。

 「イム・ヒョクさんは、同じ表記の単語で長音と短音を区別する方法を、キム・ヘジョンさんはまっすぐに歩く方法を教えてくださいました。ハン・ジニさんは、わたしの方がはるかに下の後輩なのに、ゆっくり休ませてくださいます。妓生を演じるときは、キム・ボヨンさんやキム・ヘソンさんが教えてくださいました」

-ドラマ以外でのイム・スヒャンはどんな人?

 「兄が2人いて、両親が年を取ってから生まれたのがわたしです。だからかわいがられました。中学1年のときに街でスカウトされ、芸能界に入ってからは、いつも女優を夢見てきました。家族は心強い応援団です。『韓流ブーム』に乗ったのか、中国にいる下の兄が、店にわたしのサイン入りポスターを張り、『タン・サランの兄貴だよ』と自慢したところ、ものすごい反響があったそうです」

-あこがれの俳優は?

 「外国人ではアル・パチーノさん、韓国ではキム・ヒエさんです。映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』で視覚障害者の役を演じたアル・パチーノさんのように、カリスマ的な俳優になりたい。どんな役もこなすキム・ヒエさんの演技力と女性的な魅力は本当にうらやましいですね。テレビ以外には、本格的な舞台や映画にも挑戦したいです」

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