才色兼備とは彼女のためにある言葉のようだ。韓国中の男性をとりこにしてきたキム・テヒは、ドラマ『IRIS‐アイリス‐』でイメージチェンジし女優としての進化を見せ、最新ドラマ『マイ・プリンセス』では、また新たにコミカルなキャラでその魅力を振りまいた。ソン・スンホンと美しすぎるカップルをキュートに演じたキム・テヒにインタビューした。
―このタイミングでラブコメを選んだ理由は。
「『レストレス~中天~』ではワイヤーアクションを、『九狐尾外伝』では両手に刀を持った殺陣を『IRIS-アイリス-』ではガンアクションと、アクション作品に多く出演していたようです。もともと運動や身体を動かすことが好きなので楽しめましたが、大変ですしけがが絶えませんでした。なので、次の作品はあえてアクションを選ばなくてもと考えました(笑)。性格的に静かで人からは近づきにくく冷たいイメージがあると思うので、親近感を持ってもらえる役を演じたい気持ちがありました。ソルは他の作品よりもそういうインパクトを強く感じたので選びました」
―ソン・スンホンさんと共演した感想は。
「予想していた通り、紳士的な人で相手役をいつも思いやってくれる誠実な方でした。撮影現場でも必ず先に来て台本を読んでいました。せりふ合わせの時は、約束をしていなくても、自然にどちらかが読み始めるとせりふを合わせるという感じで、自然にふたりで本読みやリハーサルができて、息がピッタリだったと思います」
―美男美女の「ドリームカップル」と言われ、どう思いましたか。
「韓国でスチール写真が公開されたころから『眼球洗浄(目が洗われるように美しい)カップル』と呼ばれ期待されましたね(笑)。プレッシャーもありましたが、ドラマ自体が現実的ではなくマンガチックで明るく、見ていて笑えるドラマを作ろうと思っていましたので、楽しんでもらえるドラマになってくれればということだけ考えました」
―役作りで苦労した点は。
「自分の性格や、今まで演じてきたキャラクターとイ・ソルは違っていました。普段はおとなしい方で、口数も少なく会話もゆっくり話すのに、ソルはおしゃべりで早口なので、せりふをリズムよく早く話す練習を普段以上にしました。また、ソルは恥ずかしさを知らない部分を持っているので、最初のころは恥ずかしかったんですが、演じるうちにあまり周りを気にしなくなりましたし、自分自身も周りの人に気を使いすぎないように少しずつ変わって楽になりました」
―シナリオが面白かったそうですが、気に入ったせりふなど教えてください。
「2話で、トイレに行きたいけれど行けないシーンが、シナリオを読んで笑えました。映像上でも楽しいシーンとなって皆さんも笑っていただけたと思います。やはりこのシーンが面白く印象に残っていますし、韓国の視聴者の方も印象的なシーンになったようです」
―そのシーンもそうですが、ソルのコミカルな身体を張った演技に抵抗や、慣れなくて困ったことはありますか。
「もちろん、最初は恥ずかしかったのですが演じていくうちに、自分自身も楽しくなって、周りのスタッフも楽しんでくれるので、次第に『このシーンはどうやったら面白く、笑ってもらえるかな?』と考えるようになっていました。例えば、台本のト書きに『目を吊り上げて怒る表情』と書いてあったとき、表情で演じるよりも実際に手で目を吊り上げた方が面白く表現できるんじゃないかと考えて演じてみました」
東京=野崎友子通信員
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