フツーの女子大生が、ある日突然プリンセスとして宮廷入りすることに!? 女性なら誰しもがあこがれる夢のような設定をベースに描いた、泣いて、笑って、ハッピーになれるラブコメディー『マイ・プリンセス』。財閥御曹司で外交官の“パーフェクトな王子様”ヘヨンを演じ、キム・テヒ(『IRIS-アイリス-』)とともに主演を務めたソン・スンホンにインタビューした。
―このドラマを選んだ理由は。
「以前の自分は優しいイメージだったのですが、30を過ぎて、個人的にも俳優としても、男らしくてワイルドな演技をしたいと思い、人生のどん底に落ちたような男臭い役柄を多く選んでいました。ファンの方たちから、見ていてつらくならない、明るい役柄も演じてほしいとの声があり、この『マイ・プリンセス』のお話しをいただき、内容的にも楽しいものだったので、次に自分の挑戦すべきものはこれだと思い、1年前から準備をして、新しいジャンルに挑戦するつもりで臨みました」
―へヨンを演じる際に自分の性格と似ていて演じやすかったところ、自分と違って演じにくかったところはどこですか。
「ヘヨンはストレートで、正直で、頑固なところや、大好きなイ・ソルに意地悪をするところなどは自分に似ているかも知れません。もし自分なら、身分など考えずに愛を選ぶし、すべてを捨てることだって出来ると思いますが、へヨンは、自分の財産やステータスにこだわってイ・ソルを留学させようとしたりするところが、自分と違うのでもどかしく感じました。この点は監督や作家の方とも話し合った点です」
―自分の意見とは最初違ったが、監督のおかげで結果的に良くなったことなどがあれば教えてください。
「クォン・ソクジャン監督は、『パスタ』や『キツネちゃん、何しているの?』など、ロマンチック・コメディーを数多く演出されている方ですので、監督のアドバイスをよく聞き演技に取り入れるようにしました。ロマコメなので、照れくさいせりふやオーバーな演技があったのですが、監督の指導のおかげでうまくできたと思います。
最初のころはなぜロマンチックなシーンがないのかとの意見もあったのですが、主人公の2人がぶつかり合う部分があってこそ、このドラマのプロローグとなるのに、ロマンスが始まってしまったら、ストーリーとしてドラマが終わってしまうという、監督の考えに沿ってアドバイスを受けキム・テヒさんも私も演技をしました」
―外交官役ですが、優雅な身のこなしやエグゼクティブとしての物腰はどのように工夫したのですか。
「初めは、外交官という最高のエリートの役柄を演じるということで難しさも感じましたが、韓国の皇室の代表となるプリンセスを教育する役どころとしては、ぴったり合う職業かなと思い演技しました。そして、財閥の御曹司で外交官という役で、素晴らしいスーツを毎回着ることができ、現実の自分とはかけ離れた役を演じられて楽しかったです」
―財閥3世、外交官、外国語能力など完ぺきな男という設定ですが、こういう人物はうらやましいですか。
「パク・ヘヨンは誰が見ても完ぺきすぎる男で、悩みなどなさそうですが、悩みがあったり、寂しがり屋だったり、実は弱い面もあるところが魅力だと思います。ただ、デパートが自分のものだったり、ちょっとそこまでとヘリに乗ったりするところはうらやましいところだと思います。お金やステータスがうらやましくないといえばうそになりますが、それがすべてではありませんから」
ソウル=野崎友子通信員