-米国市場制覇が最終目標だという意味?
「そうではない。米国市場で認められることは、より大きな青写真の中間段階に過ぎない。わたしは中国でトップにならなければならないと思っている。中国では近い将来、ハリウッドをしのぐ巨大なエンターテインメント市場が形成されるだろう。わたしたちは日本市場で成功し、欧米を攻略しようとしているが、最終目標は中国のハリウッドを自分たちのものにすることだ。断言するが、今後5年以内にアジアのトップから世界のトップになる日が来る」
-フランスのほかに、ヨーロッパ地域での公演を行う計画は?
「問い合わせはたくさんいただいているが、まだ決まっていない。わたしたちはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や動画投稿・共有サイト『ユーチューブ』などを通じ曲を広めるのに力を入れてきたが、そのためかイギリス・ドイツ・スペイン・スウェーデンなどにもファンが多い。パリ公演が終わったら、こうした動きはさらに広がるだろう。イギリスとドイツは音楽市場が大きいので、暫定的に次の目標地域と考えている」
-K-POPの急速なグローバル化において、SNSとインターネットが大きな役割を果たしているということ?
「当然だ。SNSはK-POPの影響力を幾何級数的に大きくしている。昨年の『SMTOWN LIVE WORLD TOUR』ロサンゼルス公演は、ビルボード公演チャート10位に入るほどの成功を収めたが、観客のうち韓国人は15%に過ぎなかった。あとはすべてSNSやインターネットを通じK-POPに触れ、来場した米国人ファンだ。アジア人も全観客数の30%程度だった。わたしたちは欧米市場でテレビやラジオといった以前からあるメディアよりも、ネットやSNSのほうがはるかに重要だと考えている」
-K-POPのグローバル化はSMだけの課題ではないはずだ。
「うち以外にもパク・ジニョン氏(JYPエンターテインメント代表)やキム・チャンファン氏(メディアライン代表)など、素晴らしいプロデューサーは多い。彼らもそれぞれ努力し成果を挙げており、今後の可能性も高いと思う。ただ、うちのように長い目で見て、世界的なネットワークを作ることにもっと力を入れた方がいいだろう」
-所属タレントと長期契約を結ぶ韓国的なマネジメント・システムへの批判も少なくないが。
「そうした韓国的なシステムこそ韓流グローバル化の原動力であることをよく知らないで言っているのだろう。わたしたちは潜在力を持つレッスン生を選び、小さいころから徹底的にトレーニングさせ、エンターテイナーとして育成している。もちろん、通常の教育にも万全を期している。欧米のエージェンシー・システムは、既に実績があるスターにだけ投資するため限界がある。今、世界に進出しつつある韓国のエンターテインメント産業は、一発屋では終われない。わたしたちは長期的な計画と投資によりスターを生み出してきた。これを否定する人々がいるだろうか。
欧米にもうちのシステムを学ぼうという向きがある」