日本人留学生が体験するヨモギざんまいの一日 /江華島

 「日本ではヨモギは食べるだけです。こんなふうにヨモギを使ったサウナや化粧品があるなんて本当に不思議です。日本に帰ったら友達に自慢しようと思います」

 タキガワ・チカさんとイケダ・リエコさんは韓国で知り合った留学生仲間だ。二人が初めて韓国の地を踏んでから9カ月間、互いに頼り合いながら暮らしてきた。

 しかし、タキガワさんが来月日本に帰国することになった。二人は別れを惜しみ、韓国での最後の思い出をつくるため、一緒に旅行に出掛けることにした。

 先日、ソウル・新村で会った二人はヨモギで有名な江華島のアルミエ・ワールドに向かった。


 新村を出発した車は、約2時間でアルミエ・ワールドに到着した。車を降りた二人は「わあ、ヨモギだ!」と歓声を上げた。入り口には、膝の高さくらいまで伸びた薬用ヨモギが一面に広がっていた。

 薬用ヨモギの匂いをかいだタキガワさんは「日本で祖母とよくヨモギ餅を食べました。日本でヨモギは健康食として有名なんです」と説明した。

 ヨモギ畑を通り過ぎ、ガラス張りの建物「薬用ヨモギ・ウェルガ」に向かった。ここは江華島産のヨモギを使用し、さまざまな料理や体験ができるようになっている。


 建物に到着した二人は「サウナ」と書かれた看板を見て驚き「ヨモギのチムジルバン(サウナ主体の韓国式健康ランド)ですか」と尋ねた。ここでは江華島産のヨモギや黄土を使った座浴、全身チムジル、薬用ヨモギ座薫(座薫=漢方薬に熱湯を注ぎ、その湯気で婦人病などの治療をすること)を体験することができる。

 二人はまずヨモギ座薫を体験してみることにした。これは、下腹部の老廃物や脂肪質を取り除き、肥満や婦人病の予防に効果がある。

 体験する前、チムジル用の服に着替えるが、一般的なチムジル服とは違い、半袖シャツに長いスカートを身に着けなければならない。煙を直接体に浴びなければならないからだ。



 丸いつぼのような形をした陶磁器の中にヨモギを入れ、燃やして煙を出す。二人はこの陶磁器をスカートの中に入れるように置いて座った。そしてスタッフの説明に従って、この煙ができるだけスカートの外に出ていかないようスカートを整えた。

 10分ほど過ぎたころ、タキガワさんは「煙のせいか、体中がポカポカしてきて汗が出てきました。ダイエットに効果がありそうです。健康になっているような気がします」と話した。


 座薫体験の次に、黄土とヨモギをミックスして作った「黄土ボール全身チムジル」を体験した。小さなビー玉状の黄土ボールは、ヨモギと黄土の効能が合わさり、疲労回復の効果があるという。

 二人は部屋に敷き詰められた黄土ボールの中に体を沈めたり、お互いに黄土ボールを掛け合ったりして遊んだ。イケダさんは「黄土とヨモギの匂いのせいか、何だか気分が良くなってきました。暖かい黄土ボールの上に横になったら、すぐにでも眠ってしまいそうです」と話した。

 チムジル体験が終わった後、二人は「ヨモギせっけん作り」に挑戦した。二人は「ヨモギでせっけんを作れるんですか」と驚いた様子だった。

 これを見た「土の香り」のキム・ヤンソブ代表は「江華島産のヨモギを使ってせっけんや化粧品を作っています。一緒にやってみましょう」と言って会場に案内した。

 キム代表はヨモギせっけんを作るときに使うヨモギや蜂蜜などを準備した。そして二人と一緒にせっけんを作り始めた。堅いせっけんを細かくカットして弱火で溶かし、液体になると、その中にヨモギの粉と蜂蜜を加え、よく混ぜた。


 ヨモギが香る液体を王冠や花の形の枠に注いだ後、約10分間冷ませば天然のせっけんが完成する。このようにして作ったヨモギせっけんはアトピーやニキビに効果的だという。

 体験が終わった後、タキガワさんは完成したせっけんを見せながら「ヨモギが食用以外にさまざまな用途で使えることに驚きました。日本に帰ったら友達に自慢しようと思います」と話した。

 その後、二人は2階の食堂に向かった。ここでは江華島産のヨモギを食べて育った牛の肉を食べることができる。美しい自然の中でヨモギを食べて育った韓牛(韓国伝統の肉牛)は肉質が良く、飽和脂肪酸が増加、おいしいだけでなく健康にもよいという。


 なお、6月4日(土)から6日(月)までの3日間は、江華島ヨモギ・フェスティバルを開催。今回のフェスティバルでは、ヨモギの効能講座、薬用ヨモギの品種や薬用ヨモギを使った料理などの展示と共に、ヨモギ座薫体験場、ヨモギ茶作り、ヨモギを使ったヘアカラーなど、さまざまな体験イベントが行われた。

 そのほか、さまざまなヨモギ料理を味わうことができるヨモギ料理広場や、江華島産のヨモギを使った加工品を購入できるヨモギ売り場なども登場した。

アルミエ・ワールド:仁川広域市江華郡中央路742-2

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