あの演技派大物女優も新人時代は…

 「いやー、やっとまともな毒舌キャラが登場したな!」

 女優イ・ミスクが俳優オーディション番組『奇跡のオーディション』(SBS)の選考委員兼メンター(良き指導者・助言者)として加わると報じられたのを受け、放送関係者が漏らした言葉だ。 SBS関係者は「イ・ミスクさんは演技がつたない後輩を撮影現場や楽屋、さらには自宅にまで連れて行き、しっかり教えることで知られる厳しい人」と語った。

 「イ・ミスクさんと一緒に出演した若い俳優に、彼女の毒舌を浴びたことがない人はいないほどだから、俳優志望者を評価し、指導する番組にはピッタリ」ということだ。事実、先月終了したドラマ『笑って、ママ』でイ・ミスク演じる主人公の家族を演じた新人俳優は、イ・ミスクから「きつくむち打たれ」涙まで見せたが、後にとても感謝していたという。

 MBCの歌手オーディション番組『偉大な誕生』のメンターとメンティー(メンターの指導を受ける人)がこのところ話題を呼んでいる。しかし、俳優の世界では、これよりはるかに前からイ・ミスクのように『偉大な誕生』のメンターに劣らぬカリスマ性と情熱を持つ中堅俳優が、後輩たちの指導者役を自認してきた。

 俳優パク・クンヒョンはドラマに出演するたび、後輩たちを厳しく演技指導する先輩として有名だ。せりふ回しや発声、さらには人生に対する姿勢や人とのコミュニケーション方法まで、細かく教えるという。


 KBS出身のあるドラマプロデューサーは「わたしたちでも扱いにくい若手スターたちでさえ、パク・クンヒョンさんの前では微動だにできない。パク・クンヒョンさんの評判を聞き、ドラマ共演を歓迎する俳優もいるが、逆に怖がる俳優もいる」と言った。カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンも、KBSドラマ『若者のひなた』(1995年)、『愛するまで』(96年)を撮影した時、パク・クンヒョンから「お前は女優になれない」とまで言われ、厳しく指導されたそうだ。

 一方のイ・ミスクは「心温かいカリスマ」として知られている。SBSのヒットドラマ『華麗なる遺産』で共演したある新人俳優を「連れ回し」、演技のABCを教え込んだが、大声を上げたり腹を立てたりすることは全くなく、後輩を感動させたという。

 このほか、イ・スンジェ、カン・ブジャ、チェ・ブラム、チュ・ヒョン、キム・スミ、パク・ウォンスク、チャン・ミヒらも有名な「メンター」だ。キム・ヨンエは、あるインタビューで「『馬』という言葉を長く伸ばして発音するのか短く発音するの知らず、イ・スンジェ先生からひどく怒られたことがある」と語っている(編集部注:韓国語で「マール」と長く伸ばすと「言葉」という意味になり、「マル」と短く言うと「馬」という意味になるが、かなり以前から長音・短音の区別があいまいになっている)。

 演技に意欲的な一部の若い俳優たちは、こうしたメンターたちが出演するドラマをわざわざ選び、共演を願い出ることもある。子役出身の俳優チャン・グンソクがドラマ『花より男子~Boys Over Flowers』のク・ジュンピョ(道明寺司)役を断り、『ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~』に出演したのも、イ・スンジェ、キム・ミョンミンから演技を学ぶためだったとのことだ。

パク・セミ記者
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