まだ間に合う! 隠れた桜の名所 /仁川

春の日差しを浴びた桜のトンネル「仁川大公園」


 先日、仁川市南洞区長寿洞にある「仁川大公園」を訪れた。仁川で最も規模が大きいこの公園では、満開に咲き誇る桜が見事だ。

 公園の裏口から湖までの遊歩道には樹齢30年以上の桜の木々が立ち並び、トンネルを作っている。木々の間からこぼれる太陽の光は春の香りを漂わせ、風に舞う花びらは、どの花よりも幻想的だ。


 ソウルから友達と一緒にやって来た女性、キム・ハンナさん(23)は「学校の試験期間中なので、お花見は考えていませんでした。ほかの所では桜の花が全て散ってしまいましたが、仁川ではちょうど、花が咲き始めたところです。ようやく春が来たようですね」と言って笑った。

 また、ここには芝生、人工湖、動物園のほか、計92科332種6550本の植物を栽培している植物園などもあり、家族連れが春の行楽を楽しむにはピッタリのスポットだ。

開港期の歴史と共に桜が楽しめる「仁川自由公園」


 仁川市中区松鶴洞にある「自由公園」は韓国初の西洋式公園だ。ここは入り口から満開の桜が人々を出迎えてくれる。公園に向かう「日清租界地境界階段」に咲いている花は春の使者だ。

 「旧・済物浦クラブ階段」に沿って公園の一番上まで行くと、韓米修好通商条約100周年の記念塔が建っている。その横には桜並木のトンネルがあり、満開の花びらで青い空が見えないほどだ。


 また、すぐ隣の広場には、仁川上陸作戦を成功させたマッカーサー将軍の銅像やさまざまなレリーフもある。

 ここではお花見だけでなく、近代開港期の歴史も体感でき、家族連れも多い散歩コースだ。付近には仁川チャイナタウンや三国志壁画通り、仁川近代建築展示館などもある。

西海の夕日と花見が同時に楽しめる「仁川月尾公園」

 仁川を代表する観光地・月尾島にも隠れた桜の名所がある。人込みを避け、ゆっくりと花見を楽しみたい人には「月尾公園」がオススメだ。

 この公園は、韓国戦争(朝鮮戦争)後から50年間にわたり部隊が駐屯していたが、2001年から都市自然公園地として市民に開放された。そのため、特に自然の保存状態が良く、ありのままの自然に出会うことができる。


 海に近いことから、仁川で最も遅く桜が見ごろを迎える場所でもある。公園の遊歩道に広がるソメイヨシノは今まさに開花し始めたところだ。

 公園関係者は「月尾公園の桜は4月27日ごろ満開になる。ここは自然をありのままに感じられるスポットで、ソメイヨシノの美しさをたっぷり満喫できる」と話している。

 特に、夕暮れ時は展望台から眺める西海(黄海)の夕日も素晴らしい。恥ずかしそうに赤くなって身を隠す太陽ももう一つの魅力だ。

 このほか、仁川港閘門(こうもん)、近隣の月尾島文化通り、テーマパークなども人気のスポットだ。

遊歩道を歩きながら桜を楽しめる「仁川秀鳳公園」


 最後に、仁川市南区の秀鳳山ふもとにある「秀鳳公園」を訪れた。市の中心部に近く大勢の市民が憩う公園だが、ここもまた仁川を代表する桜の名所だ。

 公園の入り口から八角亭に向かう階段には桜並木があり、遊歩道に沿って登って行くと、空がピンク色に染まっているかのようだ。


 入り口からゆっくり歩いて10分ほどで八角亭に着いた。満開の桜が八角亭をすっぽりと覆い、まるで一幅の水彩画のようだ。八角亭からは、仁川市内が一望できる。

 この公園には、文化会館などもあり、市民のためのさまざまな公演が行われる。

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