インタビュー:G-DRAGON「僕は過大評価されている」(上)

「それでも誰かの夢になりたい」

歌手・作曲家・作詞家・プロデューサー…「1人4役」
「アイドルの上をいくアイドル」に会う
来月日本ツアー、「BIGBANG」のリーダーG-DRAGON
若者ポップカルチャーの象徴
「歌手が自分の音楽作るのは当たり前なのに…気恥ずかしい」
苦労して築いた塔は簡単には崩れない
「人生の半分をレッスンに投じた。10年かけて築いた塔だから10年は持つ」



 G-DRAGON(ジードラゴン、本名:クォン・ジヨン、22)はアイドルだ。グループ「BIGBANG」のリーダーとして2006年にデビューした後、『嘘(うそ)』『一日一日』『Tonight(トゥナイト)』など、曲をリリースするたびCD売り上げでもダウンロード件数でも音楽ランキングを席巻する、韓国を代表するアイドルといえる。

 いや、G-DRAGONはアイドルではない。G-DRAGONはBIGBANGのヒット曲のほとんどを作詞・作曲・プロデュースしている。ファッション界が認めるファッショニスタであると同時に、トレンドセッターでもある。だから「ダンスやルックスを武器に芸能プロダクション各社が大量コピーする従来のアイドルとは次元が違う」という評価もある。22日、この「若者世代のポップカルチャー界のシンボル」に会った。総合日刊紙にインタビューされるのは初めてだという。直接のきっかけは、BIGBANGが来月10日から1週間の予定で行うジャパンツアーだ。

-東日本大震災の後遺症はまだ残っているが、怖くない?

 「正直なことを言えば、とても怖い。でも、日本のファンは(自分が)よその国の歌手なのにもかかわらずファンになってくれたのだから、大きな災害があったからといって約束を破りたくはなかった」

-あるインタビューで「本当のアーティストとして扱ってくれるから日本に進出する」と言っていたが。

 「日本は新人でも(アーティスト独自の)カラーを認めてくれるし、高く評価してくれる。だが、韓国では昔から、歌手は『アーティスト』というよりも『タンタラ』(歌手をバカにした言い方)のイメージが強かった。アイドルも同じだ。CDを出すたび、バラエティー番組にたくさん出なければならないし、ビジネスという見地からアプローチしなければならない。音楽しか教わってこなかったのに、実際に歌手になってみたら、音楽だけうまくても仕方がないゲームだった」

-「若者ポップカルチャーのシンボル」と呼ばれているが。

 「とても光栄だ。そうしたイメージは僕が作ったものかもしれないし、周りの人々が作ってくれたのかもしれない。海外では歌手が自分の曲を作るのが当たり前なのに、韓国ではそれが『過大評価』されていて、少し気恥ずかしい」

-歌手・作曲家・作詞家・プロデューサーの中で、どれが一番好き?

 「歌手だ。評価がどうであれ、(歌うのが)一番スリルがある」

-なぜ人々はあなたに熱狂するのだろうか。

 「イメージや話題作りという点で、『流れ』を読む方法を少しは知っているからでは? ほかの音楽が流行しているとき、ハウスのようなものを真っ先にして、ハウスが流行しているときはもう少し先を行ってエレクトロニカをするという風に。もちろん、少しは計算的だったかもしれない」

-10代初めから芸能生活をしてきた。何かを失ってしまったような、物足りなさを感じる時はない?

 「以前は、友達と遊べないし、彼女とも会えないので嫌だった。デビューが約束されているわけでもないのに、レッスン生として生活していた時期は『将来もし夢がかなわなかったら、どうやって両親を支えていこうか、僕の人生はどうなるのか』と、とても不安だった。そうした時期を経てCDを出し、正式にデビューしてからは、考える余裕もなく前だけを見て走ってきた。そうして10年たったら、『解脱』する時が来るのだと思う。『これが運命』という事実を受け入れられるようになったので、今は気持ちが楽だ」

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