インタビュー:キム・アジュンと過ごす春の1日


 SBSの水木ドラマ『サイン』が終了したばかりのころ、キム・アジュンの体調はかなり良くなかった。最終回の放送前、4日ほど徹夜で撮影したため、ドラマの打ち上げパーティーに行けないほど体調が優れず、家で点滴を受ける羽目になった。最終回直後に行われたメディアとのインタビュー時も、医務室の世話になった。今回、ソウル・江南地区のカフェに座り、インタビューに臨んだキム・アジュン。スポーツ朝鮮とのインタビューということで「一大決心」をした。体調を整え、久しぶりの外出で漢江沿いの蚕院地区にやって来た。ドラマを1本終えた「女優のオフ」に同行した。

さあ、サイクリング…「きょうは自転車を引くだけにします」


 漢江公園に着いてキム・アジュンが真っ先にしたのはレンタルの自転車を借りること。「ピンクが一番きれい」と自転車を選ぶと、管理人にレンタル料3000ウォン(約220円)を払い、サッと身分証を出した。そして「一度、漢江で自転車に乗ってみたかったんです」と言って目をキラキラさせた。

 すぐに漢江の川岸に行き、自転車に乗ろうとしたが、これがなぜかうまくいかなかった。サドルに座り、タイヤを回そうと脚に力を入れるが、体が思い通りに動いてくれない。キム・アジュンは「自転車に乗れないわけではないんですが、『サイン』の撮影がとても寒い冬だったので、関節に負担がかかったようです」と言って自転車を降りた。「こういうことなら、カジュアルな服にスニーカーでも履いてくれば良かったですね」と残念がり、自転車を引く。やはり点滴を終えたばかりで自転車に乗るのは無理だったようだ。

公園に座ってのんびり読書…「すごくステキ!」


 自転車はあきらめたが、久しぶりの外出を楽しまなくては損。漢江公園の芝生に毛布を敷いて座った。ヘッドホンをして音楽を聞き、読書ざんまい。この日、キム・アジュンが読んだのは、カルロ・コッローディの童話『ピノキオ』とレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』。ハードカバーではなく古い本だとひと目で分かったため、「読書マニア」であることは容易に想像が付く。特に、レイモンド・カーヴァーの小説は完読したが、最近再び開いたそうだ。「もともと複数の本を同時に読むタイプです。最近は4冊を同時に読んでいますが、きょうは2冊だけ持って来ました」。夕暮れ時、日が斜めに差しまぶしくなると、本で日差しをよけた。その姿が美しかった。

 音楽は主にボサノバを聞く。「本当に不思議なジャンルです。うれしいときも悲しいときも、気持ちによって歌が違って聞こえ、奥が深い感じがします」。しかし、この日キム・アジュンのヘッドホンから流れてきたのは、人気グループBIGBANGの新曲「Tonight(トゥナイト)」。スタイリストが強く勧めるので聞くようになったが、リズムに乗ったのか肩を揺らしてみせ、周囲の人々を笑わせた。記者やマネージャーが「ちょっと寒くないですか。そろそろカフェに入りましょう」と声をかけたものの、音楽に聞き入ってこちらの声に気付かず、肩を「ポン」とたたかれてハッとしていた。

暖かいカフェでカプチーノを1杯


 漢江で外の風に当たったキム・アジュンが入ったのは、漢南大橋にある「レインボーカフェ」。漢江の眺めがすばらしいカフェに入った途端、「ここ、本当にステキ」と思わず声を上げた。

 注文したカプチーノを飲み、ゆとりを楽しむ。本格的なインタビューに備えメーク直しは自分で済ませ、マネージャーやスタイリストとも気軽に冗談を交わすなど、「魅惑のチームワーク」が際立っていた。


 「女優のオフ」をテーマに行われたこの日のインタビューで、「実際に作品の撮影が終わった後はどのようにオフを過ごすのか」と質問すると、キム・アジュンは「たいてい旅に出ます。寒いときに撮影があったら暑い国に行って、暑いときに撮影があったら寒い国に行きます」と言いながらも「今は日本が大きな地震に見舞われて深刻な状況なので、韓国にいなければならないようです」と慎重な姿勢を見せた。インタビューを終了後、キム・アジュンは「このカフェは本当に気に入りました。時間があるときにまた来て本を読めたらステキ」と言って、もう一度辺りを見回した。体調が完全でなくても「お疲れさまでした」と先に手を差し出し握手を求めるキム・アジュンは「真の女優」だった。

イ・ダジョン記者 , 写真=チョン・ジェグン記者
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