仁川・松島国際都市は「韓国のドバイ」

ここは「韓国のドバイ」…ビルが踊る

 韓国で一番長い橋と一番高いビルがある場所はどこだろうか。それは、映画やミュージックビデオ、各種広告の撮影地としてたびたび登場する仁川・松島国際都市だ。

 「韓国のドバイ」を目指すこの都市には、洗練された現代的なビルが多い。65階建ての北東アジア貿易タワーや、60階を超えるザ・ショップ・ファーストワールド、POSCO建設の社屋など、超高層ビルが立ち並ぶ。現代的な造形美が美しいトライボール、トゥモローシティ、カーネルウォーク一帯では常に、何かの撮影が行われている。海の方向を眺めると、斜張橋(塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える構造の橋)としては世界で5番目に長い仁川大橋(全長18.38キロ)が、少し顔を上げた白竜のようにたたずんでいる。車や自転車からもビルがよく見え、セントラルパークなどの公園は、散歩を楽しむにはぴったりだ。

ビルの各所に韓国の伝統美

 セントラルパークの近くに位置する松島国際業務団地は、「現代建築館」と呼ばれ、それぞれのビルには韓国の伝統的なデザインが生かされている。国際会議場として使用される松島コンベンシアは、太白山脈をかたどったデザインで、銀色の屋根の隅が山脈の稜線(りょうせん)に似ている。住商複合ビルのザ・ショップ・ファーストワールドでは、徳寿宮の石畳の道が再現されている。また、ビルの側面には徳寿宮の塀の格子模様が施され、「天に伸びる塀」のようだ。

 松島のランドマークでもある北東アジア貿易タワーは、流れるような線の美しさを感じさせる。ビルの下段の四角い平面と、最上部にある三角形の平面をつなぐ緩やかな曲線は、韓服(韓国の伝統衣装)の袖と韓国の伝統家屋の軒先を連想させる。非対称的なデザインのため、どの角度から見ても違った姿に見えるのが特徴だ。タワーの前に広がるセントラルパークは、韓半島(朝鮮半島)の特徴である「東高西低」をヒントにした造りになっている。公園の真ん中にある水路を中心に、西側の低地には芝生が、東側には散策できる小高い丘がある。公園内にはサイクリング専用道路も整備されている。

 華やかな曲線で作られた美しい複合文化空間のトライボール。裏返しになった貝3枚をつなげたようなデザインで、縦80メートル、横40メートルの人口池の中に浮かんでいるように見える。歌手RAINがこの建物を背景にミュージックビデオを撮影するなど、ロケ地としても人気が高い。トライボールの隣にある広報館のコンパクト・スマートシティでは、午前9時から午後6時まで(月曜日休業)、仁川の歴史を紹介する展示物と映像を無料で観覧することができる。

 トライボールの隣の橋を渡り、20分ほど歩くと、西の海岸沿いに、コンテナボックス3つが重なったような形をした仁川大橋の展望台がある。真ん中の長いコンテナボックスの中にある階段を上ると、優雅な仁川大橋を一望することができる。入場は無料。

徒歩、自転車、水上タクシーで観光

 松島国際都市はほとんど平地のため、徒歩よりも自転車を利用した方が便利だ。仁川地下鉄1号線の仁川大入り口駅かセントラルパーク駅で降りれば、セントラルパークまで直通で行ける。仁川観光公社が開発した未来の道コース(仁川大入り口駅-トゥモローシティ-セントラルパーク-コンパクト・スマートシティ-トライボール-仁川大橋展望台)の一部を利用することもできる。仁川大入り口駅から仁川大橋の展望台までは徒歩で約40分かかる。自転車を利用する場合、セントラルパーク-松島コンベンシア-日の出公園-ミチュホール公園-トゥモローシティと続く約12キロの区間は一見の価値あり。駐輪場は松島コンベンシア、地下鉄の駅、公園など、16カ所に設置されている。

 今月中旬からは、水上タクシーでセントラルパークを観光することもできる。水上タクシーは、北東アジア貿易タワーの向かい側にあるセントラルパーク内に設置されたイーストボートハウスから乗船する。所要時間25分で公園の中にある人口水路3.6キロ区間を往復する。午前10時から午後6時まで、1時間おきに運行している。

 電車、バス、車を利用すれば、韓国最大の斜張橋・仁川大橋を渡ることができる。ただし、途中でUターンはできないためご注意を。バスで仁川大橋を渡る場合は、松島コンベンシアや仁川大入り口駅4番出口の近くのバス停から303番のバスに乗ればよい。仁川国際空港までは1時間程度かかる。再び松島に戻る場合も、同じバスを利用すればOKだ。

ヤン・モドゥム記者
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