イ・ジアは『アテナ』でのイメージチェンジを足掛かりに、恋愛物での演技にも意欲を見せた。
「今までは恋愛物の演技ができなかったと思います。『わたしって女性的な魅力がないのかな』と思った瞬間もありました。デビュー作で演じたスジニのイメージが大きかったのもあります。今はイメージチェンジを図ったから、もっといろいろな姿をお見せしなくちゃ」
イ・ジアは過去の経歴がよく知られている女優ではない。有名人なら避けて通れない過去の写真暴露もない。
その上、英語や日本語の実力が並々ならないと話題になっているのだから、もっと知りたいという気持ちは強まるばかりだ。しかも、ベースギターもアマチュアのレベルを超えているといわれる。
過去についていまだに謎の部分が多い一方で、マルチな才能が一つ、また一つと伝えられていることから、イ・ジアに関しては「宇宙人説」「バンパイア説」「コンピューターグラフィックス(CG)説」などが冗談交じりで飛び交っている。ある種のうらやましさの裏返しだろう。
「わたしもいろいろ聞きました。ペ・ヨンジュン女装説とか(笑)。すべて関心から出たものだと思うので、わたしもうれしいです。少しずつファンに近付きたい気持ちもあるし」
イ・ジアは小さいころアメリカに留学した「移民1.5世」だ。当時、日本人と友達になったことから、自然と日本語も覚えた。耳と口で覚えた日本語なので、日本を旅行するときは表示板の文字が読めず、その前で道を尋ねるという、ちょっと笑える状況になることも。
「何かを好きになったら、ほかのことには気が回りません。のどが渇いて水を飲みに入ったら、部屋が散らかっていたので片付け始めてしまい、のどが渇いていることを忘れてしまうくらいです。家では邪魔されるのが嫌いで、電話のベルも小さくしています。『どうして連絡がつかないの?』とみんなに言われます」
こうした「熱い性格」に、自分自身も時々疲れてしまうそうだ。何か一つ好きになったら熱心に取り組むので、「研究者」並みになってしまうとか。
「音楽はすごく好きですよ。今もわたしのMP3には音楽が数千曲入っています。面白いのは全曲に1枚ずつアルバムの写真を付けていることです。そういう性格なんです。一つ一つ手作業をしながら『わたしって何でこんなことをしているの』と思うほどですね。
この世の中には本当にたくさんの曲がありますが、死ぬまでに全部聞きたいです」