チャン・ジャヨン事件:警察が再捜査へ

法務部長官も検討


 2009年に自殺した女優チャン・ジャヨンさんに関する事件が再捜査が検討されることになった。

 SBSによると、京畿地方警察庁は7日、チャンさんが残したと推定される自筆の手紙約50通をやり取りした知人に関し調査に着手した。また、法務部(省に当たる)の李貴男(イ・グィナム)長官もチャンさんの自筆の手紙を入手・検討し、捜査するかどうかを決めると述べた。

 09年3月にチャンさんが自殺した後、いわゆる「チャン・ジャヨン・リスト」の真偽が話題になった。このリストには、チャンさんに性的な接待を強要したという芸能事務所・制作会社・大企業・メディア関係者などの名前が挙げられていた。しかし、こうした人物のほとんどが証拠不十分で嫌疑なしとなっている。こうした中、この知人とチャンさんがやり取りしたという手紙約50通をSBSが入手、筆跡鑑定の結果、チャンさん本人の物であることが確認されたと報じられ、大きな波紋を呼んでいる。

 SBSが公開した手紙には、チャンさんのほかにも性的接待の場に呼ばれた先輩女性芸能人2人について言及されており、「酒席に同席したタレント希望者の中には10代後半から20代初めの子も多かった。血も涙もない人々」という内容がある。また「自殺した先輩芸能人たちがむしろうらやましい」とし、悲劇的な運命を示唆している。

 警察によると、この知人は09年3月、あるメディアの記者に「ワン・チェンチェン」という名でチャンさんの知人を名乗り、手紙を送った人物だという。知人は当時、「自分は財閥企業の後継者」「チャンさんとは1995年に知り合い、兄と妹のような仲だった」と話していた。ところが、警察が調べたところ、知人は財閥企業後継者ではなく一般人で、チャンさんとは学校や地域的なつながりが全くないことが分かった。この知人は特殊強盗・性的暴行の罪で逮捕され、03年から刑務所で服役している。警察は2年前にこの知人の主張と手紙を検討したが、チャンさんとは関係ないという結論を下している。

 警察はこの知人から入手した手紙約50通を再調査し、知人とチャンさんの関係や成長過程をあらためて把握する方針だ。また、知人が03年5月から刑務所5カ所を転々としているため、これまでの刑務所の郵便物台帳を確認し、チャンさんと交流があったかどうか調べる。知人とやり取りした手紙には、性的接待を強要されたチャンさんの心情が日記のようにつづられており、チャンさんは「ソウル市江南区や京畿道水原市にある高級クラブで100回以上も無理やり接待をさせられ、自分が相手をした人物は31人に上る」と書いている。

 法務部の李貴男長官は7日、チャンさんの自筆の手紙に関し「文書を入手・検討し、捜査するかどうかを決める」と述べた。民主党の朴智元(パク・チウォン)院内代表が同日、国会法制司法委員会全体会議で「疑惑を解消するという見地から、検察は捜査を再開するのか」と質問すると、李長官は「検討してみる。絶対に捜査するという意味ではない。現在まで報道された内容だけでは性的接待疑惑などが明確でない。放送局の協力を得なければならない」と答えた。

イ・イェウン記者
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