入隊控えたヒョンビン、主演2作ヒットの予感


 入隊を目前に控えた俳優ヒョンビンのパワーがすごい。

 17日に公開される映画『晩秋』(キム・テヨン監督)はすでに各種期待作ランキングで1位に選ばれ、ドラマ『シークレット・ガーデン』の人気でパロディーまで登場している。3月初めに公開される映画『愛してる、愛してない』(イ・ユンギ監督)も、ヒョンビンにとって入隊前最後の作品という点で関心が高い。ポータルサイトにアップされた予告編のアクセス数は先月24日、一日だけで9万件を突破。映画界の関係者は「予告編のアクセス数は約7万件で上出来といえる」と話し、驚きを示した。特に、映画の興行成績が振るわないスターの一人と言われていたヒョンビンが今回はどのような結果を出すのか、関心が集まっている。

■歴代スクリーン興行成績は低迷、今回は?

 ヒョンビンはドラマに映画に、こつこつと俳優活動をしてきた。しかしドラマに比べ、映画の興行成績は思わしくない。実質的なデビュー作『まわし蹴り』はSHINHWAのメンバー、キム・ドンワンも出演し話題を集めたが、観客動員数は6万9000人(以下、映画振興委員会映画産業情報基準)。最も観客を動員した映画は、イ・ヨニと共演した『百万長者の初恋』(2006年、約64万人)で、2008年にイ・ボヨンと共演した『私は幸せです』はわずか7347人という結果に。脇役として出演したハ・ジウォン主演の『ふたつの恋と砂時計』(2005年、約53万人)を含めても、100万人を超えた作品が一つもない。

 しかし、今回は違うようだ。『晩秋』はもともと昨年11月公開予定だったが、配給会社が手を引き公開が延期に。ともすれば公開できず、「お蔵入り」になるかもしれない危機に直面した。ところが、ヒョンビンの人気が上昇。ほかの配給会社が好条件を出し、すべての問題が一挙に解決した。また、『愛してる、愛してない』もヒョンビンにとって入隊前最後の作品というプレミアムと、ベルリン国際映画祭本選進出で高い関心を受けている。



■スターパワー、成功保証小切手ではないが…

 公開を控えたヒョンビン主演の2作品がこのようにスポットライトを浴びているが、スターパワーは興行成功の保証小切手ではない。昨年も、トップスターを主役に据えたものの、興行面で振るわなかった作品が多い。

 イ・ナヨンが主演した『パパは女の人が好き』は約17万人、キム・テヒ主演の『グランプリ』は約16万人にとどまり、「女優単独主演映画」に対し疑問を抱かせた。そうかといって、男優が主演した作品も、スターパワーだけでは興行を保証できない。

 ヒョンビンと同じ事務所の先輩、チャン・ドンゴンのハリウッド進出作『The Warrior’s Way』が代表的だ。この作品はハリウッドスターの出演や公開前の大きな関心にもかかわらず、動員数は約43万人という低調な結果で幕を閉じた。そのほかにも、チュ・ジンモ、ソン・スンホン、キム・ガンウ、チョ・ハンソンらイケメンスターが共演した『男たちの挽歌』も当初の期待に及ばない約150万人にとどまった。

■ヒョンビンのスター性+映画の作品性!

 しかし、ヒョンビン主演の2作品は少しケースが違う。まず、2作品とも巨額の資本が投入された大作商業映画というより、作品性を強調した小規模映画だ。『晩秋』は純制作費70億ウォン(約5億2000万円)で商業映画的な規模ではあるが、中国の人気女優タン・ウェイ(湯唯)の出演や、米国シアトルで100%ロケをしたことを考えると、決して高い制作費ではない。

 また『愛してる、愛してない』は、京畿公演映像委員会による京畿映像ファンドを通じて投資された「Gシネマ」第1号作品。ヒョンビンはノーギャラで出演した。

 2作品とも商業性より芸術性を認められており、興行への負担がほかのトップスターの大作映画に比べ少ない。ヒョンビンが絶大な人気を誇っているため、2作品の序盤の爆発力はすさまじいと思われる。よって、興行成績も最初の期待値に比べかなり上回る可能性が高い。

イ・イェウン記者
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