インタビュー:チャ・テヒョン「僕らしいコメディーを追求する」(下)


 しかし、デビュー15年を過ぎたにもかかわらず、受賞経験がない。受賞欲はないのか聞いてみた。

 チャ・テヒョンは「映画賞の授賞式でプレゼンテーターになったことはあるのに、僕自身は1度も候補に挙がったことがない。候補くらい入れてくれてもいいのに、と思わないこともないが…(笑)」と答えた。『スピード・スキャンダル』で共演したパク・ボヨンが受賞したときはとてもうれしかったという。

 パク・ボヨンの受賞については「『スピード・スキャンダル』は撮影のときから、『これはパク・ボヨンしか見えない映画だ』と言っていた。それだけ一生懸命頑張った結果」と語った。

 だから作品を選ぶときも、あえて自分が目立つ必要はないと思っているという。

 チャ・テヒョンは「僕があまり目立たなくても素敵な映画がある。『スピード・スキャンダル』のような作品の場合、3人の呼吸がぴったり合って、僕が補助の役に回れば、僕も生きるし、ほかの俳優も生きてくると思った。だからといって、僕が何もすることがない楽な印象のシナリオにはあまり手が出ない」と言って笑った。

 チャ・テヒョンには、いつも優しく温かい雰囲気の映画のオファーが舞い込んでくる。大ヒット映画『猟奇的な彼女』『バカ』『スピード・スキャンダル』はみなそういう雰囲気の役だ。

 チャ・テヒョンは「基本的に明るい作品を選ぶようにしているが、結婚して子どもができたせいか、ファンの方々に飽きられることがなければ、このような作品にずっと出演したいと思っているし、満足度も高い」と話した。


 イメージチェンジを考えることもあるが、自分に合った道を選ぶことが、観客も喜ぶと思うし、自分にもよく合っていると思うという。

 これについてチャ・テヒョンは「個人的な欲だけで出演する作品、イメージチェンジのために出演しなければいけないと思うシナリオにはなかなか手が出ない。必ずしもイメージチェンジをしなければいけないとも思えないし…」と話す。

 人並み以上にコメディー映画がよく合うのは、30代半ばとは思えないほどの童顔のせいでもある。

 しかし本人は、この童顔がコンプレックスでもあるという。20歳でデビューしたころから童顔俳優として人気を集めたチャ・テヒョンは、「ほかの俳優たちは成長していくのに、大学生になってもずっと子どもみたいな顔と雰囲気だったので、キャスティングされたのにいつの間にか役がなくなっていたこともあった。今でもそれが強味だとは思っていないが、過去のシーンを撮影するときも代役が必要ないという点は便利」と言って笑った。

 童顔の秘訣について聞いてみたところ、「普段からよく笑うタイプ。バラエティー番組が大好きなので、SBSの『ランニングマン』やMBCの『黄金漁場‐ラジオスター』のような番組を見ながら、一人でゲラゲラ笑っている」と答えた。

チャン・ソユン記者
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