-ロマンチックな作品ではヒロインを輝かせ、その結果、自分をも輝かせた。『コーヒープリンス1号店』はその絶頂にあった作品といえるが。
「ユン・ウネだけでなく、誰とでもあのような演技をするのは難しい。慶尚道(釜山)の男なので、甘い言葉を口にするのは苦手だし…。自分がかっこよく見えることよりも、よい作品に出演し、その作品の力になりたいと思っている」
-イム・スジョンとはドラマ『学校』以来の共演だが。
「僕は演技をするとき、意外さや偶然の生む産物を好む。でも、イム・スジョンは徹底的に分析をして演技をするタイプ。俳優対俳優として会ったときには、相手を尊重することが大切だということをあらためて知った」
-映画的な、いわゆるもっと劇的な役を演じてみたいとは思わないか。
「どういうものが映画的なのか。劇的なキャラクターはあまり好きではない。若いときは、そういうマッチョな男がかっこよく見えたし、自分もそういう風に見られたいと思ったけれど、今はそういう強迫観念はない。むしろロマンチックコメディーが、どんなジャンルより難しいと思う。なぜなら、ロマンチックコメディーは大体同じような展開だからだ。そんな枠の中で新しいものを作り出すのが何より難しく、面白い」
-マッチョな男ではなく、優しい男の役の方が自信があるという意味か。
「自信というより、好きか嫌いかという、好みの問題だと思う」
-普通の人とは違うという意味のように聞こえるが。
「普通の人があまり聞かない音楽や、見ない映画が好きだ。音楽も、本人の話を前面に出す歌手が好きだし。現実に根を下ろしたキャラクターが好き。ファンも時間がたつほど、僕と趣向の似ている人が残ってくれている」
-例えば?
「ちょうど『キム・ジョンウク探し』のシナリオを受け取ったとき、映画『(500)日のサマー』を見たばかりだった。監督と初めて会ったとき、この映画の話で盛り上がった。これからもこのような部分を大切にしたい」
-最初の撮影の瞬間を覚えているか。
「もちろん。カチンコまで打った。フィルムの回る音を楽しみにしていたのに、最近はレッドワンカメラを使うため、フィルムの回る音が聞こえないのが残念だった(笑)。カチンコを打ちながら、コン・ユが3年ぶりにカムバックします、と言った。胸がキュンとした」
-次の作品も映画だとか。
「知っているくせに(笑)。今回の作品より暗いストーリーになると思う。
その作品に出演することになれば、僕がどんな作品が好きな俳優なのか、よく分かると思う」