橋で結ばれた3島を巡る旅 /仁川

 仁川広域市の永宗島には、橋で一つにつながった「三兄弟の島」がある。その3島とは、仁川市甕津郡の海の真ん中に浮かぶ信島、矢島、茅島。遠くから見るとそれぞれ独立した島のようだが、よく見ると、島と島が橋でつながっている。まるで三人兄弟が肩を組んでいるかのように見える。

 農村体験ができる「信島」、トビハゼ釣りやドラマのロケ地見学ができる「矢島」、海岸で美しい夕日や彫刻を鑑賞できる「茅島」。これら個性豊かな三兄弟の島へ出掛けてみよう。

 仁川大橋を通り過ぎ、空港新都市方面に10分ほど走ると、サムモク船着場にたどり着く。ここは信島、矢島、茅島行きの船便を利用できる、唯一の場所だ。


 1時間に1本運行している信島行きの遊覧船に乗ってみた。船のデッキに上ると、優雅に空中を飛び回りながら観光客が投げる菓子をくちばしでキャッチするカモメの群れに、乗客が感嘆の声を連発していた。まるで島まで船を導いてくれるかのようなカモメたちを見ているうちに、船はいつの間にか、目的地の信島に到着した。

農村体験ができる「信島」

 信島は仁川の北西に14キロ、江華島の南方5キロ地点にある。島の名前は、島民たちが誠実で素朴だということから名付けられたとか。

 今にも海上に着陸するかのように接近する飛行機を遠くに見ながら、右側にある小さな丘を越えると、信島3里の「プルンボッマル」が見える。

 ここは、農村体験ができるテーマパークで、大人も子どもも一緒に楽しめる。中でも「塩田体験」が有名だ。


 この地域の伝統的な塩の製造方式は、朝鮮王朝末期から伝わるもの。海水から高濃度のにがりを作り、これを大きな釜で火にかけ、塩を作る。この塩は「真塩」と呼ばれ、「本物の塩を生産する所」という意味が込められている。

 このテーマパークのさまざまな体験プログラムのうち、「干潟の生態地図作り」や「島巡り自転車ハイキング」も、子どもたちにとっていい思い出になるだろう。

「矢島」で楽しむ釣り

 曲がりくねった信島の道を進むと、矢島につながる「連陸橋」が見えてくる。

 橋の上では、恋人たちや家族連れがそれぞれ1本ずつ手に釣竿を持ち、何かに集中しているようだ。


 1992年に完成したこの連陸橋は全長579メートルで、信島と矢島を結んでいる。この橋では満潮時になると、トビハゼなどの釣りを楽しむことができ、夜になると街灯が海を照らし、見事な夜景を演出する。

 「また釣れた!」

 仁川シティーツアーを利用し、家族と一緒に矢島を訪れたイ・ウォンジョンさん(46)は、「釣りが特別上手なわけではないが、もう3匹も釣った。人も少なくて、ゆっくりと深まっていく秋のように、家族とのんびりした1日を過ごすことができて楽しい」と話した。

夕日に染まる海岸の美術館「茅島」

 ススキが広がる湿地を背に、右側の峠を越えると、「ペミクミ海岸」にたどり着く。この海岸は、船の下に開いた穴のような形をしているという意味で、「ペミクミ」と名付けられた。ここは現在、彫刻公園として知られ、「海辺の美術館」とも呼ばれている。海と一体になった彫刻公園には、彫刻家イ・イルホさんの作品約100点が展示されている。


 秋には午後5時を過ぎると、波が夕日の色に染まり始める。いつもより赤く見える夕日に染まった波を眺めていると、心なしか切なさが込み上げてくる。

 カフェやペンションもあるこの公園は、秋の夕日を静かに鑑賞するには絶好の場所だ。1度ここを訪れた人は、必ずまたやって来るという。


 「ここより静かに夕日を鑑賞できる所は少ない」と語るパク・ジェヒョンさん(34)。この美術館を訪れるのは今回で3度目だという。パクさんは、「海のすぐ横に彫刻公園があるため、彫刻と夕日を一度に鑑賞でき、一石二鳥」と話す。

 3島行きの船が発着するサムモク船着場は、仁川シティーツアーの空港コースを利用すれば、手軽に楽しむことができる。同コースは、松島新都市内のトゥモローシティーから、毎日午前11時から1時間間隔で、1日8本運行している。

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