ビル街を海水が流れ、そこを水上タクシーが走る。川面から眺める市内の様子は、自然と都会が一体となり、異国的な雰囲気を醸し出している。ここは、仁川市内にある「松島セントラル公園」。
先週末にこの公園を訪れると、散歩や運動をする人たちでにぎわっていた。散策路ではススキの穂が波を打ち、秋の情緒を漂わせていた。
涼しげな風とともに、どこからか潮のにおいがする。「海から離れているのに、どうして潮のにおいがするのか」と不思議に思う人も多いだろう。その理由は、公園の中央に海水で満たした人口水路があるからだ。
約41万平方メートルで、全長1.8キロ、幅は狭いところで12メートル、広いところで110メートルの人口水路が公園を横切っており、その上を水上タクシーが走っている。
「ボートハウス」から水上タクシーに乗り、川面から25分ほど公園や市内の様子を見学することができる。
68階建て(高さ305メートル)の北東アジア・トレードタワー、仁川の歴史を学ぶことができるコンパクト・スマートシティー、三つの円が重なった独特な外観が印象的なトライボールをめぐりながら、仁川の発展ぶりを目の当たりにできるだろう。
この日、孫と一緒に水上タクシーに乗りに来たというカン・グィヨンさん(85)は、「ここは以前はすべて海だったが、ビルが建ち、公園までできるとは不思議なこと。時の流れを感じる。本当に仁川は変わった」と話す。
米国サンフランシスコからやって来たというアディさん(32)は、「会議の前に時間があったので水上タクシーに乗ってみた。ほかでは見たことのないもので、本当に珍しく、興味深かった」と話した。
仁川広域市施設管理公団のアン・ヨンチュン課長は、「この人工水路は4.8キロ離れた取水場から、管路を通じて海水を引き、使用している。使用後は二重フィルターなどで浄化し、放流するエコシステムを備えている。水上タクシー以外にもさまざまな体験ができるよう、準備している」と説明した。
「セントラル公園」は韓国の海岸や渓谷など、地域ごとの特徴や空間を考慮して造られたもので、生態学習ができる草原、テラス型庭園、散策庭園、定型庭園、彫刻庭園という五つのテーマ別に構成されている。
急な上り坂や階段のない緩やかな道でできた散策コースもある。
そのほか、公園周辺には仁川の現在・過去・未来が一目で分かる「コンパクト・スマートシティー展示館」や、独特なデザインが印象的な「トライボール」、未来都市仁川を体験できる「トゥモローシティー」など、見どころ満載だ。
市内を横切る水上タクシーに乗るときは、トゥモローシティーで乗り換える仁川シティツアーの市内コース、空港コースを利用すればよい。
仁川シティツアー市内コースは、毎日午前10時から午後6時まで、1時間おきに1日9本、空港コースは午前11時から午後6時まで、1時間おきに1日8本運行している。