インタビュー:コ・ス「ファンが愛おしい」(上)


 秋の日差しが溢れる、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでコ・スに会った。はれた目をして姿を現したコ・スは、記者を見て、明るくほほ笑んだ。「目にものもらいができてしまって…。きょうは写真の撮影はできそうにありません」。体調が悪いのではないかと聞くと、「いいえ、コンディションは最高です!」と背筋を伸ばし、インタビューに答える準備をした。

 10年ほど前、ある飲料水のCMで、恋人の門限を守るために夜の街を走ったコ・スは、今にもテレビから飛び出してきそうだった。あたかも全身で「守ることは守らなければ」と訴えているようなコ・スに、インタビューをした。

 コ・スは突然、1本の詩を読み上げた。「よく見るとかわいい。長い間見ていると愛おしい。君と同じように」。これはどこに出てくるせりふだろう、としばらくの間考えていると、コ・スが正解を教えてくれた。「詩人ナ・テジュの『草花』という詩です。ファンも長い間見ているほど愛しくかわいらしい」。出だしから一筋縄ではいかない雰囲気だ。

■撮影現場に来てくれたファンにはいすまで用意

 『草花』という詩の一節を暗唱したコ・スをほめると、「ただ、詩自体がとても短くて覚えやすいからです。長かったら覚えることなどできませんよ」と照れくさそうに答えた。しかし、「僕がファンをそのように感じているのは事実」と話した。話が出たついでに、どのようにすればファンとして、コ・スの関心を引くことができるか尋ねてみた。コ・スは「詩と同じです。ファンの人たちは、僕に近づくのは難しいと思うかもしれませんが、そんなことはありません。僕が映画を撮影しているときは、撮影現場に来てくれればいい。僕がそういうファンを見かけたら、いすまで準備して歓迎します」

 撮影現場に近づく前にスタッフに止められるのではないか、と尋ねると、コ・スは「僕が見かければ大丈夫です」と言って笑った。コ・スはインタビュー中、「僕のことをもう“天然”と言わないでほしい」と何度も強調した。しかし話をすればするほど、コ・スは「天然」ではなく、「芸能人がなかなか見せることのできない本心」を見せる珍しいタイプだと感じた。「僕のことを大切にしてくださる人たちは大切にしなければ。これまで、10代の若者たちが好むような役を演じたことがなかったけれど、今回の映画『超能力者』は、15歳以上観覧可能なため、中学生や高校生のファンの感想が聞いてみたいです」。コ・スの言葉には、うわべだけではない、本心が含まれているのが感じられた。

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