今が旬の柿、美味しい食べ方とは

 柿は昔から「捨てるところのない果物」と言われている。柿の実を食べた後、ヘタは薬として使い、葉っぱは乾燥させてお茶として飲むことができる。熟していない柿は皮をむいて乾かせば干し柿になり、熟し過ぎて柔らかくなってしまったものや、虫に食われたものは柿酢にする。

 柿は甘柿と渋柿に分かれる。中でも「テボン」という品種は渋柿に属し、干し柿や熟柿にして食べると美味しい。

 慶尚南道河東のアクヤンコルで生産されるテボンは、朝鮮時代に献上品として使用されたほど、味や形が優れている。10月下旬から11月初旬まで収穫されるが、河東や光陽など、蟾津江河口の山々がオレンジ色の柿で染まる風景は一見の価値ありだ。

 テボンは薄くツルツルした皮の中に固い実がぎっしり詰まったころが食べごろだ。テボンは固いときに収穫し、皮をむいて30-40日間乾かすと、半干し柿(水分含量45-50%)になる。シコシコした歯ざわりの皮と柔らかい実がバランスよく一体になった味は逸品。柿を乾かす過程で表面に浮かぶ白い粉は、主成分がブドウ糖のため、そのまま食べられる。

 壺やダンボールに新聞紙を敷き、テボンをきれいに重ねて、新聞紙や韓紙(韓国伝統製法の紙)をかぶせて、風通しのよい場所に置いておくと、熟柿になる。暖かい場所ほど早く熟し、約10-14日程度で美味しい熟柿を味わうことができる。90%程度熟した熟柿をラップやホイルに包み、冷凍室に保管すれば、1年中美味しく食べることができる。

 干し柿は水正果(ショウガやハチミツなどを使った甘いお茶)に入れたり、サラダなどのトッピング、パンやパイの材料として使うこともできる。熟柿の実だけを取り出し、ソースの材料に使ったり、ほかの材料と合わせて飲み物として楽しむこともできる。冷凍した熟柿は、そのままでも立派なデザートになる。

 柿はほかの果物に比べ無機質が豊富に含まれており、ビタミンCはリンゴの4、5倍に及ぶ。ビタミンAの含有量は杏と共に、果物の中で1番多い。ポリフェノール化合物のタンニンが豊富で、血管をきれいにし、高血圧や心臓病を予防する効果もある。このほか、二日酔いを解消し、下痢や腹痛にも効果的だ。ただし、便秘を引き起こす恐れもある干し柿は、100グラム当たりのカロリーが237キロカロリーと高いため、食べ過ぎにはご注意を。

料理=キム・テユン

キム・ミンギョン記者
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