東京国際映画祭『黒く濁る村』で舞台あいさつ


 29日、第23回東京国際映画祭の「アジアの風」部門にて『黒く濁る村』が、招待上映作品に選ばれ、カン・ウソク監督と、主人公のヘグクを演じた『殺人の追憶』、『グエムル―漢江の怪物』などで知られるパク・ヘイルが舞台あいさつを行なった。

 この作品は韓国最大の映画賞、「大鐘映画賞」に作品賞、監督賞、主演俳優賞(パク・ヘイル、チョン・ジェヨンの2人)でノミネートされているが、この日午後8時50分からの授賞式の前に、急きょこの舞台あいさつに駆け付けた。

 カン・ウソク監督は、「『シルミド』以来6年振りの来日となります。本作は7本目の作品です。最も苦労した作品です」とし、「この作品は普通のスリラーと違って、暗闇でドキッとさせるような恐怖ではなく、白昼に静かな中で迫ってくるような恐怖を描いています。そういう緊張感を持たせるような演出をすることが大変でした」と語った。

 出てくる村のセットが非常にリアルだが、「村の雰囲気がうまく出せないと映画を撮れないと思っていたので、とにかく村を作ることにはお金をかけて、山を一つ削ったほどでした」とそのこだわりを明かした。

 作品の見どころは、との問いには「この作品は2時間41分あるのですが、1時間半ぐらいに感じると皆さんに言ってもらえます。それが私にとって最大のほめ言葉です。日本の皆さんにはゲームを楽しむように、心から楽しんでいただきたいです」とPRした。


 一方、パク・ヘイルは、この作品へのオファーが来た時どう思ったか、との問いに「個人的に原作のコミックを読んでいました。それが映画化されると聞いた矢先に監督自らオファーして下さったので、断る理由はないと思いました」と語った。

 原作のヘグクがパク・ヘイルさんご自身にとてもよく似ていますが、実際自分に似ていると思う部分はありますか、との質問には「似ているというより、似ざるを得ない状況でした。原作者の方に一度お会いした時、ヘグクは僕をイメージして描いたとうかがっていましたから」と答えた。

 最後に、作品賞、監督賞、主演俳優賞(パク・ヘイ ル、チョン・ジェヨンの2人)で ノミネートされている「大鐘映画賞」については、カン・ウソク監督が「わたし自身よりは出演した俳優が受賞してくれるとうれしい。ただ、パク ・ヘイル君は演技力がまだ及ばないから、無理かも…」とジョーク交じりに厳しい言葉を向けると、パク・ヘイルはそれに対して、「精進します…」つぶやき、会場の笑いを誘った。

 『黒く濁る村』は11月20日より、丸の内TOEI、シネマスクエアとうきゅうほか全国ロードショー公開される。

東京=野崎友子通信員

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