ドラマ『ジャイアント』でチョ・ミヌ役を熱演しているチュ・サンウク。悪役ではあるが、イ・ミジュ(ファン・ジョンウム)がライバルである主人公イ・ガンモ(イ・ボムス)の妹と知らずに恋に落ちるとガラッと雰囲気を変え、好評を博している。そんな彼に、撮影現場でインタビューした。
―『ジャイアント』が大人気ですが、チョ・ミヌ役をご自身でどう思いますか。
「最初は見ている方が腹立たしくなるほど、悪い奴だったのですが、ミジュという女性に出会い、徐々に人間的な部分も見せているので、いろいろな面を視聴者にも見てもらっていると思います。でも、最初のほうと違って、ミヌの苦悩や心の傷が同時に描かれているので、単なる悪い奴ではなく、理由ありの悪い奴という印象を持ってもらえるのではないでしょうか(笑)」
―ミジュ役のファン・ジョンウムさんとの相性はどうですか。
「和気あいあいといい雰囲気の中でやっていますよ。ドラマは復讐(ふくしゅう)や、胸が痛むような恋などが描かれていますが、ミヌとミジュのシーンは唯一明るいので、撮影していても楽しかったです。いつも笑いながら撮影していましたね。でも、また悲劇が始まるんですね…」
―イ・ボムスさんはじめ、ほかの共演者の方とはどんな雰囲気でしょうか。
「(イ・)ボムスさん、チョン・ボソクさん、(パク・)サンミンさんなど、ベテラン揃いなので、刺激を受けています。私も演技歴は長い方だと自分で思っていたのですが、このドラマでは末っ子ですから(笑)。皆さん本当に演技がうまく、そんな人たちと共演できるのは光栄ですね。ドラマの内容は重いのですが、現場の雰囲気はとても和やかですよ。チョン・ボソクさんはドラマの中では血も涙もない悪役を演じていますが、もちろんそれはドラマの中だけで、普段はとても紳士的な方です」
―シリアスなドラマですが、何か楽しいエピソードはありますか。
「うーん、エピソードというほどではないですが、ドラマの中では憎しみ合ったり、誰かが誰かを落とし入れたりと、ドロドロしていますが、カメラが回っていないところでは、お互いふざけあったりもしています」
―これまでで、自身のシーンで好きなところ、思い出深いところを教えてください。
「ミジュとのベットシーンですね。ミヌは裕福な家で何不自由なく育ってきたのに決して幸せではありませんでした。でも、ミジュと出会い、初めて幸せだと感じるのですが、そんなこれまでミヌが抱えてきた苦しみや悲しみ、そしてミジュを大切に思う気持ちなどがあのシーンでうまく表現できたように思います」
―チョ・ミヌを演じて、チュ・サンウクのどんないいところが発揮できていると思いますか。
「これまではスーツ姿の礼儀正しい男性役が多かったのですが、今回ミジュと絡むシーンにおいて、初めてコメディーとまではいきませんが、おちゃめで気取らない役を演じました。そんなミジュの前で見せるミヌの姿は自分に一番近いのではないかと思います。普段は口数も多いし、ラフなので、そういう素の自分を少し見せることできたかなと思っています」
―まだ途中ですが、『ジャイアント』のみどころ、おすすめPRをお願いします。
「いろいろな人のさまざまな感情が交錯するドラマなので、気軽に楽しめるタイプの作品ではありませんが、登場人物一人一人のキャラクターがうまく描かれたスケールの大きなドラマです。ぜひ見てください」
―気になる結末ですが、最後がどうなるかはご存知ですか。
「僕もまだ知らされてないんです。台本は1週間に1冊ずつしか渡されないので、出演者の誰もが結末を知りません。本来なら、悲しいエンディングを迎えるのではないかと思うのですが、どうでしょうか…。ミヌとミジュとは幸せになってほしいです(笑)。泣いたり心を痛めたりするのは演技とはいえ、とてもつらいんです。視聴者にも最後は笑顔になってもらいたいので、ハッピーエンドだったら…と願っていますよ(笑)」
ソウル=野崎友子通信員