ロマンと歴史教育の場、江華島で旅を満喫

 紅葉と収穫の季節がやって来た。10月は気候が穏やかで小旅行にはぴったりのシーズンだ。週末を利用し、家族と一緒に江華島まで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

 島全体が博物館と呼ばれる江華島には、旧石器時代から近代まで、さまざまな時代の歴史と痕跡が残っている。また、海を背景にした見事な自然も魅力の一つだ。このため、江華島はロマンと歴史教育の場として人気が高い。

 澄んだ秋空の下、仁川シティーツアーバスを利用し、仁川市江華郡仏恩面徳城里にある広城堡(史跡第227号)を訪れた。


 ここは江華島を守る「12珍宝」の一つで、辛未洋擾(ようじょう)=1866年、平壌に侵入して焼き討ちされ、乗組員が全員殺害されたシャーマン号事件の報復として、米海軍が江華島を攻撃、撃退された事件=のとき、最も激しい戦闘が繰り広げられた場所だ。

 最初に目に付くのは、入り口にある城門「アンヘ楼」。元々、江華島に入る関門だったこの地は現在、海岸の哨所として使用されている。

 「海を制圧する」という意味を持つこの楼閣は、端の部分がわずかに上向きになっており、空を指しているような形が、華やかさと謹厳さを感じさせる。

 城門を過ぎ、門の外に出ると、江華島を取り囲む海が目の前に広がる。左側には広城台地、右側には散策路がある。涼しい海の風を感じながら散策路を歩くと、すっきりと爽快な気分を味わえるだろう。

 道に沿って歩いて行くと、辛未洋擾当時、勇敢に戦い殉国した名もなき勇士たちをまつる「辛未洋擾殉国無名勇士の碑」と「双忠碑閣」がある。


 内側に入ると、当時最も激しい戦闘が繰り広げられた「ソンドルモク台地」と「竜頭台地」がある。

 広城堡のうち最も高台にある「ソンドルモク台地」は円形に広がっており、ローマの円形競技場に似ている。 そして、大砲が設置されていた所が見える。台地の前方からは、江華島の沖合いを一望できる。


 竜頭台地は、江華海峡に竜の頭の形をした岩盤の上に設置された、天然に近い軍事橋頭堡だ。現在、ここには江華島戦績地の記念碑が建っている。高台の前に広がる海は、韓国で2番目に水の流れが速いという。

 歴史的な背景を詳しく知りたい人は、広城堡の入り口で歴史解説者に説明を聞くことができる。

 そのほか、 広城堡を通り過ぎると、徳津鎮、草芝鎮の順にゆっくり歩きながら、景色を楽しめるトレッキングコースがある。城郭に沿って歩いて行くと、自然の壮快さと農村のゆったりとした雰囲気を満喫することができるだろう。


 竜頭台地のベンチに座っていたキム・ジョンファさん(59)は、「週末を利用して友人と一緒にやって来た。ここは本当に静かで涼しい。今回、シティーツアーバスを利用して来たが、とても便利だったので、次回も利用したい」と話した。

 屋根のない博物館「江華島」へ行くには、毎週土曜日と日曜日、それぞれ1日2回(運行時間:午前10時-午後6時)運行する仁川シティーツアーバスの江華観光コースが便利だ。

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