「二十歳」。無限の可能性を秘めた年齢だ。まだ人生は始まったばかり。ヨチヨチ歩きで前進しながら、時には転び、けがをしながらも、夢見た通りに人生を組み立てていくことが可能な、だからこそこの上なく生き生きして愛らしい年齢でもある。
20歳の女優パク・シネにとって初めての映画『シラノ・エージェンシー』(キム・ヒョンソク監督)の印象は、ちょうどそんな感じだ。女優も作品も、生き生きとしていて愛らしい。
パク・シネといえば、多くの人々が昨年放送されたドラマ『美男<イケメン>ですね』(SBS)を思い浮かべるだろう。さらに記憶をさかのぼって、『天国の階段』でチェ・ジウの子役を演じたときの姿を思い浮かべるかもしれない。熱烈なファンなら、イ・スンファンの曲『花』のミュージックビデオでデビューした当時の姿を思い浮かべるだろうか。
『シラノ・エージェンシー』は、そんなすべてのファンに新鮮な衝撃を与える作品だ。パク・シネの意外なほどの女性らしさに驚くだろうし、デビュー当時の幼い姿が記憶に残るファンなら、パク・シネの突然の成長ぶりに当惑するだろう。簡単に言えば、パク・シネはここ数カ月で目に見えて大人っぽくなった。
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『シラノ・エージェンシー』は、愛のキューピットとなって恋を実らせる恋愛興信所「シラノ・エージェンシー」で繰り広げられるエピソードを描いた作品。同作でパク・シネは、歩く恋愛博士と呼ばれ、ひと目見るだけで相手の気持ちを読むことができるという作戦要員「ミニョン」役を演じている。しかし、自分の恋には不器用なキュートな女性でもある。
パク・シネは「最初はミニョン役を演じるには若過ぎるという反対や懸念の声が多かった」と話す。最初、シナリオ上のミニョンは現在の設定より4-5歳年上の20代後半だったからだ。パク・シネは「周囲の反対の中、監督の信頼だけが大きな支えになった」と話す。