― これまでの出演作品で、特にお気に入りの作品は。
「『イルジメ〔一枝梅〕』が一番好きです。理由は、僕が演じたのが両班でしたけど、家がつぶされ浮浪者みたいになって、一つのドラマで全然違う役ができた感じで、面白かったです。そして、賞(SBS演技大賞子役賞)もいただいたので(笑)」
― では、一番演技がよかったな、と思う作品はどれでしょうか。
「『ジャイアント』です。監督も、カメラ監督も前に一緒に仕事をした方でしたので、よく教えてくれましたし『君はできる』って自信を持たせてくれて、うまく演じられました。作家さんたちも電話で、ガンモはこんな性格だから、こう演じてほしいとか、親切にアドバイスをくださって、結果、自分でもよくできたと思います(笑)」
― 自分に自信のあるところはどこですか。
「全部、自信があります(笑)。だって、一つのことしか自信がないなんて、だめだと思うからです」
― 『霜花店(サンファジョム) 運命、その愛』のチョ・インソンさんの子役をやりましたが、彼が好きだそうですね。
「インソンお兄さんは礼儀正しく、優しくて、それにカッコいいじゃないですか(笑)。一緒に話しながら感じられたこともたくさんあって、教えられたこともいっぱいで、インソンお兄さんが一番好きです」
― ほかに好きな俳優、目標にする俳優さんはいますか。
「キム・ミョンミン先輩です。先輩は、自分に与えられた役を、どんな役でも非常に自然に演じます、先輩のドラマや映画を見ると、この役はキム・ミョンミン先輩じゃないと誰ができるのか思うんです。僕も大人になったら、先輩のように、僕の演技を見る人に『この役は彼じゃないとできないね』と思われるくらい実力をつけたいです。それが一番目指していることです」
― ということは、もちろん、大人になっても演技を続けて「俳優」になるということですね。
「はい。演技が好きなので、ずっと演技をやりたいです! 体が耐えられる限り(笑)」
― しばらくは、まだ子役ですが、「この人の子ども時代がやりたい」とか「こういう役がやりたい」という希望はありますか。
「キム・ミョンミン先輩の子役がやってみたいです。あとは、ダメなヤツとか、障害をもつ人の役とか。『トンケの蒼い空』のチョン・ウソン先輩の役とか、『マラソン』のチョ・スンウ先輩のような役をしてみたいなあと思っています」
― ズバリ、子役でライバル、と意識する人はいますか。
「キム・ヨナ選手が、ライバルは自分しかいない、と言ったことに、すごく共感しています。そのとおりで、ライバルは自分しかいないと思います。どんなことでも、たとえ勉強でも自分との戦いで、演技もそうです。演技というものは、自分が本当にやりたいと思わなければ、続けられません。演技が嫌になったり、やめたりしたくない。だから全てにおいて、自分自身に負けないように頑張っています」
最初は、相手が「子ども」なので、質問の仕方も簡便に、答えやすくしていたが、受け答えがあまりにもしっかりしているので、徐々にグレードをあげてみた。このインタビューだけでも、彼が並みの子どもではないことが垣間見えるだろう。
「せりふは1カットを大体3、4分で覚えて、感情を作るにはそれから20分、25分くらいかかる」と、大人の俳優のようなことを言うかと思えば、「せりふは覚えられるのに、数学の公式は覚えられない」となげく年相応の面も。
以前よりちょっとふっくらしたようだが、「背が高くなりたいからたくさん食べている」のだそう。ケーキを食べるときのかわいい顔はやっぱり13歳の少年だった。最近は成長期でぐんぐん背が伸びていて、現在は身長162センチ。目標は182センチだそうだ。
ヨ・ジングが感動の演技を見せる『ジャイアント』は11月28日よりKNTVで日本初放送される。
ソウル=野崎友子通信員