― 南沢奈央さんは、どんな方でしたか。エピソードはありますか。
「撮影前にお会いすることができず、現場で仲良くなりました。日本の女優さんとお仕事するのは初めてなので、20歳という年齢で他の国に来て、監督や俳優、スタッフなど、言葉が通じない人たちと仕事をするという勇気を高く評価していました。
僕は日本語で話しかけたり、緊張しないようにしてあげようと頑張ってはいたんですが、彼女がどう受け入れてくれていたかは、わかりませんけど(笑)。本当にすごい強い子です。撮影時、めちゃくちゃ寒かったのに、一度も寒いと言わない。僕は怒りたくなるくらい寒かったのに、彼女は黙っていたので、プロだと思いました。芝居をする時のお互いの感情もあまりリハーサルをやらなくても、彼女は完ぺきに役になりきっていたので、演技をしていて、とても楽しかったです」
― 国境を越えた愛が描かれていますが、ご自身はどう思われますか。
「全然ありです(笑)。国境なんて関係ないですよ」
― 今まで、そのような経験はありましたか。
「ないですね(笑)。まだないんです」
― ご自身の恋愛観は。
「一緒にいて幸せな人がいいです。職業、年齢、国籍とかの問題でなく、いてくれるだけでいいんです。
― 日本語が非常にお上手ですが、日本語で感情表現するのは難しくないですか。
「全然足りないです。今もそうですし、インタビューする時に、自分の言いたいことの5割くらいしか言えていない。簡単にしか答えられないんです。難しい単語もあまりわからないし、自分が伝えたい気持ちにピッタリ合う単語が、日本語では出てこなくて、すごくイライラするんです。韓国でも日本人や在日の友達たちとは、日本語でコミュニケーションをとっているんですが」
― 次回作の予定は? どのように作品を決めるんですか?
「今までやったことのない役は全部やってみたいです。キャラクターの職業とかではなくて、キャラクターの色に引かれるんです。シナリオを読んだ瞬間に、この役は自分が一番うまくできるなという自信がもてた時に決めるんです」
― 報われない恋愛をする役が多かったようですが、メロドラマはいかがでしょうか。
「シナリオがよければ、やってみたいです(笑)。コメディーも好きなので、やってみたいですね」
― 音楽活動の今後の予定は。
「バンドで、今年中に韓国でCDデビューします。韓国、日本だけじゃなく、アジア、どこの国でもやってみたいと思います」
― ファンの方へのメッセージを。
「2009年は、めちゃくちゃ遊んで休んだ分、2010年は死ぬほど働いています(笑)。いつも応援ありがとうございます。今まで通り頑張ります」
キム・ジェウクは自身が語った通り、今年は仕事が目白押し。『キミの記憶をボクにください〜ピグマリオンの恋〜』、『赤と黒』、そしてバンド「ウォーラス(Walrus)」の活動でも舞台に立った。さらにまもなく、11月より放送の『メリーは外泊中』(KBS第2)の撮影に入る予定とノリに乗っている。しかし、のんびりしているときも、多忙を極めているときも、その姿勢、雰囲気が変わらない。気負うことなく、自然体で、一歩ずつ着実にステップアップしている。そんなところに彼の魅力が見えた。
キム・ジェウクの他に、キム・ジュン(『花より男子~Boys Over Flowers』)、南沢奈央(『赤い糸』)が出演するDVD『キミの記憶をボクにください〜ピグマリオンの恋〜』(販売元:エイベックス・マーケティング)は10月8日にリリース。
東京=野崎友子通信員