日本に韓国を紹介する「パワーブロガー」ネバタニ・ユリコさん
2年前から15回以上来韓、ブログでソウルを紹介
8月11日、大きな旅行かばんとカメラを手にソウルを訪れたネバタニ・ユリコさん(28)。好奇心に満ちた表情で、市内のあちこちを歩き回りながら、一生懸命ノートにメモを取っている同氏の職業は「パワーブロガー」。ソウルの隠れた名店を紹介するブログ「ゆりんの韓国と私」を昨年6月から運営している。1日に平均2000件、週末には3000件ものアクセス数を記録する人気ブロガーの一人だ。
■「三清洞は韓国の香りが生きている街」
ネバタニさんが今回韓国を訪れたのは、ソウル市が「韓国訪問の年」を記念し、ソウルを取材する観光リポーターとして同氏を招待したためだ。ソウル市は今年10月までに、上海ジャーナル、ウィークリー香港、オーストラリア東亜日報、パラグアイ国立警察ラジオなどのメディア関係者をはじめ、パワーブロガー、デザインや旅行などを専攻する学生など計46人を観光リポーターとして招待する予定だ。この46人はソウルを訪問し、それぞれのメディアやブログでソウル関連記事や紀行文を紹介する。
ネバタニさんの韓国旅行のテーマは、「韓国の20代のショッピングとナイトライフ」。江南区新沙洞の街路樹通りのカフェで会った同氏は、景福宮の写真が入った名刺を差し出した。
同氏が今回最初に取材した場所は、街路樹通りにあるワッフル店だ。「ソフトなクリームとアイスクリーム! 甘くて美味しい韓国のワッフルの味。ソウルに初めて来る人は、ほとんどが明洞や東大門、仁寺洞に行くけれど、ソウルの裏通りや韓国の本当の文化が隠れている場所を日本の人たちに紹介したい」と話した。
また、「静かで落ち着いた雰囲気のカフェでコーヒーを飲みながらショッピングも楽しめる新沙洞の街路樹通りは、わたしのホットプレイス」と話す同氏は、「三清洞はクネクネした道の間に韓国の香りが生きている場所」という。
今回、久しぶりに明洞を訪れた同氏は、ある変化に驚いたという。以前は明洞に行くと、日本語で呼び込みをされるなど、あちこちから日本語が聞こえてくることが多かったが、今回はそれが中国語に変わっていたとのことだ。
同氏の取材ノートにはソウルの美味しい店、美術館などに関する情報や、感想がぎっしりと書かれていた。同氏がよく立ち寄るという弘益大近くのデザイン・ファンシー専門店「オチェク」については、「細々とした可愛い雑貨がたくさんあって、見ているだけで楽しい店」と絶賛した。
ソウルに住んでいる人でも知らない店や名所を探し出すコツは、ポータルサイト「ネイバー」と「ウィングバス」にある。同氏は「ネイバーのパワーブロガーとも互いに交流している。インターネットの翻訳機を使って、関心のある分野を韓国のサイトで検索すれば、何でも調べることができる」と話す。
■韓流ドラマがきっかけで韓国好きに、韓国語の習得にも熱心
きょうの取材の内容を早速ブログに掲載したネバタニさん。「わたしの心の恋人をRainからBigBangに変えました。Rainには少し申し訳ないけれど」「久しぶりに食べたトガニタン(牛の骨を煮込んだ白濁スープ)。やっぱり美味しい! 1杯完食してキムチも美味しく食べました」
同氏の韓国好きは2年前から始まった。韓流スターやドラマなどを通じて韓国の文化に興味を持つようになった同氏は、2008年夏、延世大学の語学院で韓国語を学び、これまでに15回以上日本と韓国を往復しながらソウルを取材している。同氏のブログは、江南や明洞周辺、梨花女子大、仁寺洞、若者文化、ショッピングなど、地域とテーマ別に区分されており、自動翻訳機を使って韓国語や中国語、イタリア語などで読むこともできる。
「小学生のとき、富山駅で『日本から1番近い国・韓国』と書かれた看板を見て、韓国に行ってみたいと思った。『フルハウス』『私の名前はキム・サムスン』などの韓国ドラマを見たり音楽を聞くうちに、韓国の熱狂的なファンになり、今ではソウルに行けると思うだけで胸がドキドキする」と話す。
「韓日交流の橋渡しになれるような活動がしたくて、一生懸命韓国語を勉強している」という同氏は、「今は韓国の文化や情報を日本に発信する役割をしているが、これからはわたしの住んでいる富山県の日常を韓国のブログで紹介し、韓国と日本の民間外交官的な役割を果たしたい」と夢を語った。