頭打ちのドラマコンテンツ輸出、打開への試み(下)

 問題は、これ以降、この2作品を上回る大ヒットが出ていないということだ。『冬のソナタ』は02年、『宮廷女官チャングムの誓い』は03年に制作されたドラマだ。韓国創造産業研究所のコ・ジョンミン代表は「『宮廷女官チャングムの誓い』はドラマ自体の輸出額はもちろん、韓国製家電製品の輸出に与えた影響や、韓国という国のイメージ向上まで考慮し経済的な価値を推算すると、1兆ウォン(約740億円)近い額になる。ラブストーリーばかりの韓国ドラマの中で、『宮廷女官チャングムの誓い』は普遍的かつ新鮮なストーリーで世界の人々の心をとらえた」と分析している。

 今後、ドラマを含む韓国の映像コンテンツが世界を舞台にさらに大きな成長を遂げるには、「逆転の発想で大胆かつ斬新なストーリーが作れる新人の発掘が最重要課題」と専門家たちは口をそろえる。ドラマシリーズ1本書くのに10-20人の脚本家を投入する米国ドラマの完成度や規模に追い付くためにも、才能ある新人脚本家たちの成長は急を要する課題だ。韓国では映像関連作家の登竜門が少ないだけに、「大韓民国ストーリー公募大展」に関心が集まるのもうなずける。

 『ホジュン 宮廷医官への道』『オールイン運命の愛』『朱蒙-チュモン-』などのヒットドラマを生み出した脚本家チェ・ワンギュは「外国で話を聞くと、『この7-8年間の韓国ドラマはどれも似たり寄ったりだった』とよく言われる。これまでとは違う素材のドラマが必要なのは事実。そのためには、さまざまなルートを経て、新人脚本家を多数養成しなければならない」と言った。

 韓国ドラマ制作会社協会のキム・スンス事務総長は「(従来の地上波テレビ放送に対抗し、ケーブルテレビ・衛星放送・IPテレビなどを通じ、ニュース・ドラマ・スポーツ・バラエティーなど全ジャンルを24時間放送できる)総合編成チャンネルの登場とともに、韓国の映像産業は新たな転機を迎えることになるだろう。このため、各テレビ局は信頼できる新人脚本家の登竜門登場を望んでいる。『大韓民国ストーリー公募大展』はそうして点で、大きく貢献できるだろう」と話している。

崔承賢(チェ・スンヒョン)記者
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