インタビュー:トライアスロンに夢中のソン・イルグク(下)

トライアスロンのコースに挑戦するため

 ソン・イルグクにはさまざまな期待が懸かっている。それは韓国の独立運動家、金佐鎮(キム・ジャジン)将軍のひ孫という「タイトル」のため。ソン・イルグクは現在も、「金佐鎮将軍記念事業会」で積極的な活動を繰り広げている。偶然にも、来月は青山里戦闘(金佐鎮将軍が指揮する北路軍政署所属の独立軍が、吉林城の青山里で日本軍を大破した戦闘)勝利90周年だ。

 これを記念し、事業会が主催するトライアスロンが洪城で行われることになった。ソン・イルグクは当然、参加する予定だ。

 「子どものころは特に運動が好きというわけではありませんでした。でも25歳のとき、何気なく体重を量ってみたら105キロもあったんです。おれは一体何をしているんだ、と思いました」

 冷蔵庫にある食料品を片付け、一生懸命運動をし、1カ月で15キロ体重を減らした。そして1998年、MBCタレント公開採用に応募し、見事合格した。無名の辛さを耐えることができたのも、運動があったからこそだった。1999年、マラソンのフルコースを初めて完走したときのことは今でも忘れられないという。

 自分との闘いに興味を覚えたソン・イルグクは、トライアスロンを知り、運動の喜びに目覚めた。「自転車で下り坂を下りると、ストレスが吹き飛ぶのを感じます。そんな風にして、無名の時代を乗り越えたような気がします」

 2006年、ソン・イルグクはドラマ『朱蒙』で一躍大スターとなった。トライアスロンのオリンピックコースを6回完走したソン・イルグクは、「トライアスロンを少しでも多くの人に知ってもらうため、力の限り大会に参加したい」と話す。3級指導者の資格も取ったという。

 「多くの人は三競技鉄人戦という言葉に先入観を持っているようです。オリンピックコースは、ハーフマラソンを走る程度の体力があれば、十分参加することが出来ます。マラソンに比べ、体の筋肉を幅広く鍛えることもできるんです」

 ソン・イルグクの最終的な目標は、正式コースの完走だという。

 ソン・イルグクは、運動が自分を支えてくれると信じている。「監督が僕を指名してくれるのは、演技力ではなく、体力のせいだと思っています(笑)」

 インタビューを終えたソン・イルグクは、再び自転車に乗った。しばらくペダルをこいだと思ったら、すぐにはるか彼方へと消えてしまった。

チャン・ミンソク記者
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