インタビュー:トライアスロンに夢中のソン・イルグク(上)

6回完走、監督に好評なのは演技力より体力?


 「こんにちは!」

 一瞬、人違いかと思ったが、サイクル用のゴーグルを取ると、俳優ソン・イルグク(38)の顔が見えた。ソウル市内の漢江市民公園で会ったソン・イルグクは、「家が黒石洞なので、自転車の方が早いんです」と話した。ソン・イルグクは先月、演劇『おれはお前だ』を終え、現在は休息を取っているという。

 「ここで会おうと言われてうれしかったです。ここは5月にトライアスロンの競技をした場所なので」

 ソン・イルグクに会ってから5分以上たったころ、自転車に乗ったソン・イルグクのマネージャーが息を切らして到着した。「一緒に出発したのに、いつもこうなってしまうんです」

万能スポーツマン、トライアスロンに夢中

 ソン・イルグクは大韓トライアスロン連盟の副会長だ。2004年に知人の紹介で知り合ったユ・ギョンソン元会長から突然、副会長の肩書きをもらったのだという。「まだ無名のころだったためプレッシャーでもあったけれど、運動が大好きなので受け入れることにしました」

 ソン・イルグクは万能スポーツマンだ。子どものころ始めたスキーは、パトロール(安全要員)の資格も持っている程の腕前だし、マラソンは春川マラソン2回を含め、フルコースを5回完走した。時代劇に何度も出演しているせいか、乗馬も生活の一部となっている。

 韓国伝統の弓「国弓」はスタントマンに教える程の水準だ。今年放送されたドラマ『神と呼ばれた男』を撮影した8カ月間は、スポーツジムに入り浸り、彫刻のようなボディーを完成させた。

 これらの運動はすべて個人競技だ。「小学校6年生のとき、クラス対抗のサッカー大会に出場したのですが、オウンゴールを入れてしまったんです。それがトラウマになったのか、球技は苦手です」と話すソン・イルグクが1番好きなスポーツはトライアスロン。

 三競技鉄人戦と呼ばれるトライアスロンは、人間の限界に挑む競技だ。水泳3.8キロ、サイクル180.2キロ、マラソン42.195キロが本来のトライアスロンのコースだが、普通は水泳1.5キロ、サイクル40キロ、マラソン10キロのコースで行われる。

 「3種すべて好きなスポーツで、全部まとめて挑戦することができるんですよ。退屈する暇などありません」

 ソン・イルグクは2004年に初めてトライアスロンのオリンピックコースを完走した。しかし、当時の記録(2時間41分46秒)をまだ更新することができないという。

 その後、ドラマの撮影が入るようになり、最高のコンディションで挑戦することができなくなったからだ。06年に 『朱蒙』を撮影していたときは、移動する車の中で寝てから試合に出場し、今年5月に行われたソウル大会は、徹夜の撮影明けでの参加だった。「あのときは水がとても冷たくて、心臓まひになったらどうしようかと心配しました。しっかり準備をして大会に出場するのが夢です」

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