一人の男性が、透明なスクリーンに浮かび上がったイメージを指で動かし、軽くタッチしながら動画を検索している。まるで、トム・クルーズ主演の映画『マイノリティ・リポート』のワンシーンのようだ。
そんな映画のような出来事を実際に体験できる場所がある。仁川松島国際都市にある「トゥモローシティー」。ここは、来場者が未来都市を体験できるよう、さまざまなユビキタス(いつどこでもインターネットにアクセスできる環境)施設を兼ね備えた体験型施設だ。
トゥモローシティーまでは、仁川駅(地下鉄1号線)から仁川シティーツアー(市内バス)を利用した。このバスは、仁川市内のさまざな名所を手軽に観光できる、仁川市の観光専用バスだ。
1時間ほどすると、仁川経済自由区域(以下、IFEZ)にある「トゥモローシティー」に到着した。ここにはU-シティービジョンセンター、U-複合乗り換えセンター、 U-mall、U-広場などがある。
U-複合乗り換えセンターの屋根は波を連想させるダイナミックなイメージで、広場の周りには創造的なオブジェがあり、観光客を魅了する。
U-シティービジョンセンターに向かった。ここは6階建ての建物で、U-映像館、未来都市館、未来生活館、IFEZ未来像で構成されており、来場者はそれぞれのテーマ別に観覧することができる。
映像館では、世界で初めて導入されたインタラクティブ3Dライブショー方式の映像システムを体験できる。3Dメガネをかけ、舞台を見ると、壮大な音楽と共に、スクリーンの中からコンパニオンが登場する。
このコンパニオンは両手を振りながら観覧客を出迎えた。3Dメガネをかけた観客たちは、コンパニオンの両手が近づいてくると、不思議そうにその手に向かって自分の手を伸ばした。コンパニオンは画面の中で観客とコミュニケーションを取りながら、このセンターについて説明した。
館内の案内係を担当するパク・ジヘさんは、「映像館はU-シティービジョンセンターで最初に見学する所。スクリーンを通じて、仁川松島国際都市と仁川経済自由区域のことを3Dの立体映像で知ることができる」と説明した。
次いで未来都市館では、先端増強現実技法(AR)を体験した。来場者は大きな模型が設置されたスクリーンの前で、3D用の望遠鏡をかける。すると、望遠鏡の中からさまざまなキャラクターが飛び出し、人々をからかうように駆け抜けていく。
人々はこのキャラクターたちを捕まえるため、望遠鏡の前に手を伸ばすが、望遠鏡に写る自分の手が魔法の棒に変わったのを見て驚く。体験中は、「うわあ、不思議」という声が相次いだ。
次に、未来生活館のヘルスケアサービスを体験してみた。部屋の隅に設けられたヘルスマネージャーで、自分の身長や体重、体脂肪などをレーザーで確認することができる。健康に直結したサービスのせいか、来場者に1番人気のあるコーナーだった。
処方箋を確認した後、その後ろにあるランニングマシーンに乗り、森や海、平地など、自分の好きな仮想の空間を選び、運動することができる。
今回、シティーツアーの市内コースを体験したク・ユンミさん(39)は、「身近な所で未来の生活を体験することができた。とても新鮮で、未来が楽しみになった。映画で見るような未来施設を実際に体験することができ、子どもたちにもよい経験になったと思う」と話した。
仁川経済自由区庁・経済庁のキム・ジョンウォンさんは、「最先端の未来都市に触れ、直接体験できる空間として、『世界初の進化した都市空間を作る』というビジョンで設立された。ここを、未来の生活を見て体験できる複合文化空間として発展させる計画だ」と話した。
未来に出会える仁川シティーツアー市内コースは、毎日午前10時から午後6時(所要時間1時間35分)まで、1時間おきに9本運行されている。乗車券は、仁川駅前の総合観光案内所で購入可能だ。