女優Dさんは昨年半ば、南アジアのある国でボランティア活動をしたことに関し、批判された。Dさんは帰国の途中でトランジットのため香港に立ち寄り、免税店でショッピングをしていて出発時間に気付かなかった。Dさんを捜すため、飛行機は30分後れで離陸したという。当時、Dさんのボランティア活動に携わった関係者は「Dさんのようなケースは、マネージャーの手違いによるもの。真剣に活動しなかった方も、いつかはボランティアの意義を知るでしょう」と話す。
NGO団体のほとんどは「気が短かったり、難しい要求をする芸能人はごくわずか」とした上で、「ボランティアをした芸能人の半数が、帰国後に支援活動を続けないのは残念」と指摘した。
「NGO関係者に話を聞くと、何日も服も着替えずに一生懸命活動をする方がいるかと思えば、奥地で『ピザをとって』と言う方、『やりたくない』『つらい』と不満を言う方、『汚い水では皮膚病になるかもしれない』と輸入物のミネラルウオーターで体を洗う方もいました」
団体側の力が及ばなかったケースもある。外注番組制作会社プロデューサーは「タレントのEさんは、海外ボランティアをすることになりとても期待していたが、実際には『これのどこがボランティアなんだ』とガッカリしたというケース」と話す。Eさんは、現地での活動時間が「一日半」だけという無理なスケジュールを組むことになったが、それさえも状況が変わってしまい、支援している子どもとたった半日会っただけで別れた。
このプロデューサーは「芸能人よりも子どもが受ける衝撃のほうが問題」と指摘する。「今まで『テレビ』という物を見たこともない子どもに、知らない人たちが群がってきて、突然、体を洗ったり、服を着せたり、食べ物を与えたりした後、半日でぞろぞろと帰って行く。村では子ども一人に関心が集まったということでけんかになったり、プレゼントされた物やお金が盗まれることもあります。子どもが現実を否定し、混乱するケースさえあるのです」。