インタビュー:韓国参天製薬吉田ともゆき氏


 移転してまだ間もない、韓国参天製薬(株)の新社屋は、静かで広々としていた。記者が今回、この新社屋でインタビューを試みた吉田ともゆき企画管理部長は、最近新たに展開した事業のため多忙だったにもかかわらず、快くインタビューに応じてくれた。吉田氏は熱気と覇気に満ちあふれ、新しいモノへの好奇心もとどまるところを知らない、30代の青年だった。

-いつ韓国へいらっしゃいましたか。韓国の印象はいかがですか。

 2004年 10月に韓国参天へ赴任しました。もうすぐ6年ですね。本当に時間が経つのが早いです。韓国参天に日本人が駐在するのは私が始めてのケースでした。お客さんに会うのも、社内のコミュニケーションも、メールや書類も、業務は全て韓国語でしたので、生きていく為には韓国語を習得するしかありませんでした(笑)。ですので、昼は仕事、夜は語学堂に通って韓国語を勉強しました。学校で勉強したことよりも、普段の世活の中で覚えたことの方が多いですね。韓国の女性ともお付き合いしたりとか。とにかく日本以外の国で仕事がしたかったので、最初韓国に来た時はとても嬉しかったです。言葉が通じないこと、食べ物が辛いこと、何でも楽しむことができました。

-韓国でお仕事されている間、最も気に入ったことや、気に入らなかったことについて、思いつくまま聞かせてください。

 韓国の文化は良く言えば、“StraightでSpeedy”、悪く言えば“せっかちで遠慮がない”と感じます。最初の頃は何でもストレートにズバズバ言われて傷つくこともありました。今では僕も50%は「韓国人化」していますので、ハッキリと自分の意思を伝え、決まればすぐに行動に移すという生活がとても心地よいです。とにかく何でも「速い」ですね。食事を注文すればすぐに料理が出てきて、すぐに食べる。電化製品の調子が悪くてアフターサービスを頼めば、すぐに来てくれてすぐに直してくれる。日本に比べれば、韓国は24時間のサービスがとても多いと思います。お酒を飲むスピードも日本より速いので、最初は何度もやられました。

-日本から観光に来られる皆さんにお勧めしたいソウルの名所としては、どこがありますか。

私が韓国に来て生活した場所は2ヶ所ですが、両方とも大好きな町です。最初は「新村」に住んでいたのですが、有名大学が多いことから学生が多く、食堂やカフェ、服屋も低価格で若者向け。かわいい女の子も沢山いましたね。現在住んでいるのは「三成洞」です。こちらはオフィスやホテル、百貨店など高層ビルが立ち並び、地下にも巨大なショッピングモールが網の目のように広がっていて、ソウルで最も近代的な町です。まるでニューヨークのマンハッタンにいるような雰囲気を味わえます。家の家賃も2倍になりましたけどね。

-観光客の皆さんに伝えたい、観光の秘けつとしては、何がありますか。

 韓国は治安も良いですし、安全に観光を楽しめると思います。ただ、タクシーの運転は時々怖いことがあり、カーレースの様に目的地まで最短時間で連れて行ってくれます(笑)。地下鉄は本数も多く、料金も安く、便利な交通手段の1つです。また買い物をする時、日本とは違ってお店の人が必ず横についてくれます。負担に感じず、挨拶をして、店員さんと話をしながらゆっくり見たいものを見ることお勧めします。買わなくても全く失礼ではありませんので。

-韓国料理の中で好きなもの、よく召し上がるものは何ですか。また、常連のお店はどちらですか。

 私が思う韓国の1番の魅力は「食べ物が美味しいこと!」。ですので、観光へ来られる方へも「食べ歩き」をお勧めしています。お肉は牛だけでなく、豚や鶏料理も充実していますし、韓国の海鮮は刺身も貝料理も日本とは少し異なった食べ方を楽しめます。「韓定食」といって、小さなおかずが沢山でてくる伝統料理も日本人の口に合います。中でも私がお勧めするお店は「ドンドン酒とジョン」のお店です。「ドンドン酒」とは日本でも人気がある「マッコリ」によく似ていますが、醸造方法が異なり、私はドンドン酒の方がまろやかで奥深い味わいがあると思います。「ジョン」とは日本のチヂミですが、海鮮とネギをたっぷり使った焼きたての「ヘムルパジョン」がお勧めで、「ドンドン酒」によく合います。韓国では雨の日に、雨の音を聞きながら「ドンドン酒」を飲み、「ジョン」を食べるという習慣があります。その謂れは、昔の農耕時代に雨が降ると作業ができないのでドンドン酒を飲んで時間を過ごした、とか、雨の音がジョンを焼く音を想像させる、とか色々とあるようです。韓国に旅行に来られて雨が降るとがっかりされるかもしれませんが、ドンドン酒とジョンで韓国の雨を楽しんでみられてはいかがでしょうか?通常の観光とは違う韓国の一面を感じることができると思います。

■パクさんがつかまえてきたツバメ

 友人や家族が韓国へ来るたび、トンドンジュ(マッコリ〈韓国式濁り酒〉と似た酒)やヘムルジョン(海鮮チヂミ)、カムジャジョン(ジャガイモを使ったジョン)などを食べるため、必ずこの店へ来るという吉田部長。今回、インタビューの様子を見守っていた栗原みちあき副社長も、終了後の食事に同席し、話に花を咲かせた。吉田部長が「パクさんがつかまえてきたツバメ」をひいきにしているのは、ジョンなどをつまみに、さっぱりしたトンドンジュを飲みながら、韓国独特の賑わいを体感できるからだ。この日もまた、職場の会食で訪れた客たちによって、店内は大賑わいとなった。注文があまりにも多いため、料理が出てくるのが遅く、吉田部長たちに申し訳ないと思い始めたころ、ようやく料理が出てきた。肉厚のジョンやトンドンジュを堪能するうちに、いつの間にか笑いがあふれるようになった。店の周囲にはオフィスビルが多いため、平日の夕食時でも客は多い。そのため、少人数でも予約した方が無難だろう。

*住所: ソウル市江南区駅三洞831-36 テナムビル1階
*時間: 午後15時-04時(土は02時)
*定休日: 日曜定休
*Tel: 82-2-567-7228

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース