インタビュー:キム・ハヌル「自分の濡れ場に驚いた」(上)

ドラマ『ロードナンバーワン』で見せたキム・ハヌルの挑戦と変身


 「少し驚いた。わたしの背中はああいう形をしているんだなと…」

 女優キム・ハヌルが、ドラマ『ロードナンバーワン』(MBC)で初めて自分の濡れ場シーンを見た印象について語った。

 キム・ハヌルは26日、ソウル市江南区ノンヒョン洞にある所属事務所ジェイワンプラスの事務所で行ったインタビューで、「自分の背中を見るというのは珍しい経験だった。予告編を作っているとき、(濡れ場シーンを)初めて見て驚いた」と話した。

 予告編に続き、第4話(7月1日)で放送されたこのシーンは、キム・ハヌルのデビュー以来、最も露出度の高いシーンとして注目を集めた。キム・ハヌルは「予告編に続き、本編を見てみたところ、撮影当時、自分の感情がよく出ていたと思った」と話す。しかし、初めてこのシーンを見たときに驚いたということは、それだけ新鮮な衝撃を受けたということでもある。

■「得意のラブコメ演技」を捨てて選んだスヨン役

 同ドラマはキム・ハヌルにとって、濡れ場だけでなく、女優として新しい経験をした作品だ。1950年、北朝鮮の侵攻によって始まった韓国戦争(朝鮮戦争)を描いたもので、スヨン役はこれまでの作品で見せてきたような、ほのぼのしたキャラクターではなく、日常の中でドラマチックに表現されたキャラクターでもない、内面の魅力を表現する役だったからだ。

 実際、昨年キム・ハヌルがカン・ジファンと主演を務めた映画『My Girlfriend is an Agent』(原題:『7級公務員』)を観た後、芸能界の関係者は、「キム・ハヌルの演技に磨きがかかった」と、称賛の言葉を惜しまなかった。そのため、キム・ハヌルは次の作品もラブコメディー路線でいくのではないかとみられていた。

 しかし、キム・ハヌルは全く違う選択をした。『ロードナンバーワン』のスヨンは、過酷な運命に飲み込まれ、切ない恋をする女性。死んだとばかり思っていた初恋の人ジャンウ(ソ・ジソブ)が戻ってきたことにより、結婚を約束したテホ(ユン・ゲサン)を傷つけることに。体の具合が悪い兄妹を抱えるスヨンは、ジャンウと二人でどこかへ逃げてしまうこともできない。

 スヨンはまた、このような傷を背負ったまま、戦場で死にゆく命を助けるため、すべてを犠牲にできる強い信念を持った医師でもある。スヨンはまさに故郷であり、傷を背負った人々の「母」のような存在だ。特に、同ドラマは戦争を背景にしているだけに、女優の比重は多くない。

 「スヨンという女性があまりにも大きく感じられ、演じるのは難しいのではないかと心配したけれど、内面の演技をしなければならないキャラクターという点で、ぜひやってみたいと思わせる役だった。ラブコメのような演技も女優としていいチャンスだけれど、いつも同じような役を演じたらあきられてしまうのではないかと思って…。ラブコメのキャラクターから新しい面を引き出すのは難しかった」

 また、「台本を見てから出演を決めたため、スヨンの出演分量は最初から分かっていたし、そんなことは関係なかった。母に、『お前はいつごろ出てくるのか』と聞かれるけれど、わたしは戦争のシーンに感嘆しながら楽しんで見ている」と言って笑った。

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