―最近、『恋愛特講』、昨年は『泥棒ダイアリー』と舞台も経験されていますが、映像から舞台へ挑んだ理由は何だったのでしょうか。
「新しいことに挑戦してみたかったんです。僕の場合は、ドラマや映画は楽しんで仕事ができるんですが、舞台の場合は、小さい劇場だと特に観客との距離が近いので、観客と一体となってやらなければいけない。それが勉強になるし、意味深いものです。だからこれからも続けていきたいと思います」
―舞台をやって後悔したことはありませんか。
「舞台は怖い部分もあります。観客が楽しい場面など笑うところで笑ってくれなかったりと反応がすぐ直にわかるので、今でも怖いです。頭が真っ白になってしまうこともありました。でも後悔したことはありません」
―舞台はNGができないですよね。大きな失敗などはしませんでしたか。
「『泥棒ダイアリー』で、パンツ1枚で演じるシーンで、いきなり観客のおばさんが舞台に上がってきて、僕の汗を拭いたんです。せりふを言わなければいけなかったんですが、あまりにびっくりしてあぜんとしてしまって、芝居を続けることができず、裏にひっこんでしまいました(笑)。舞台には相手役の俳優さんがいたのですが、一人残されて、あっちもすごくあせって、困ってしまって…申し訳なかったです」
―仕事以外では、昨年からカーレースにも参加していますが、レースを始めたきっかけは。
「車を運転することはもともと好きでしたが、実はドラマのために教えてもらったのがきっかけでした。結局そのドラマは、なくなってしまったんですが、レースのほうはやることになりました」
―芸能人レーシングチームとしてイ・セチャンの「R-STARS」やリュ・シウォンの「EXR Team 106」などが知られていますが、「GM大宇」チームに入られた理由は。
「最初に教えてもらったのが『GM大宇』の方でしたし、本物のプロのチームだったので僕も芸能人ということでなく、一レーサーとして扱ってほしいと思い、参加させてもらうことになったんです。全然腕はないんですが、入れていただいてありがたいです」
―今後、俳優としての目標、やりたいこと、やりたい役などはありますか。
「俳優を始めた時から、派手にスターになるというより、年をとればとるほど、生きてきた人生の経験などが、自分の表情や演技にでてきて観客を感動させられる俳優になれればと思ってきました。やりたい役は…すごい悪人の役をやりたいんですが、目が垂れているので、弱くていい人の役しかこないんですよ(笑)。デビュー作の『おはよう、神様!』のイメージがまだ強いようですが、悪くて、強い人間の役をやってみたいです!」
その『おはよう、神様!』で見せた子犬のような純粋な目をした少年のイメージは今も健在だがもう27歳。愛くるしい笑顔ながら、時折男らしい精悍な姿ものぞかせるようになった。来年には、軍入隊も予定されるユ・ゴンだが、「その時が来たら、しっかり義務を果たしたい」ときりっとした表情でキッパリ。「でも、その前にいい仕事をたくさんしたいですよ」と言ってはまた目じりを下げた。
東京=野崎友子通信員