韓流:日本でK-POP躍進、ドラマは停滞(下)

■中高年層も韓国の歌手に夢中

 日本で脚光を浴びているのは、アイドルグループだけではない。しっとりしたバラードで日本の中高年層のハートに訴えかける歌手たちは、すでに人気が安定している。その代表的なグループがsg WANNA BE+だ。この4年間で約100回の公演を成功させ、6月にリリースした新曲『Precious~君だけが僕の帰る場所』はオリコンのデイリーランキングで5位に入った。所属事務所ISエンタメディアグループ関係者は「sg WANNA BE+の公演では観客の70%が40-50代」と話している。

 リュ・シウォンや先日急逝したパク・ヨンハさんなど、ドラマを通じトップスターになった俳優も、日本ではバラード歌手としてファンに接する機会のほうが多かった。リュ・シウォンの所属事務所R’s Companyのリュ・シグァン代表は「日本で放送される海外ドラマはほとんど吹き替えになるので、韓国人俳優が日本の視聴者と交流を持つのは簡単ではない。だからこそ、じかに触れ合える歌手活動には、ファンもタレントもより多くの魅力を感じている」と語る。今年57歳になった演歌歌手テ・ジナも6月末、日本で2枚目のシングル『命の華』をリリースした。


■停滞する韓流ドラマの活路は?

 K-POPの急速な成長に比べ、韓流ドラマの人気は停滞しているのが実情だ。『冬のソナタ』『宮廷女官チャングムの誓い』以降は大ヒット作が出ていない。韓国で大ヒットしたスパイアクションドラマ『IRIS-アイリス-』はTBSで今年4月から9月までの予定で放送されているが、視聴率は7-8%台にとどまっている。テレビ朝日系ドラマ『臨場』やフジテレビ系バラエティー『ザ・ベストハウス123』など、同時間枠の裏番組が視聴率10-20%をマークしているのを考えると残念な数字だ。08年にNHKで放送された『太王四神記』の視聴率もほぼ同じだった。だが、最近はフジテレビやTBSなど地上波テレビ局が毎日昼に韓国ドラマ枠を固定化させるなど、安定した需要があるという点は励みになる。漢陽大学の孫大鉉(ソン・デヒョン)教授(韓国エンターテインメント産業学会会長)は「日本の韓流ブームは2000年代半ばにドラマや映画でブレークしたが、今は成長期というよりも安定期に入ったようだ。だが、韓国の歌手が最近、日本の若いファンを集めていることから、ドラマと歌が相乗効果を生み、韓流ファンが大幅に増える可能性もある」と見通している。

崔承賢(チェ・スンヒョン)記者
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