インタビュー:チャン・ヒョク「重点を置いたのはチュノと両班のテギルの差」(上)


 壮大なアクション時代劇『チュノ~推奴~』で主役のイ・テギル役を演じ、あらためてその演技力とカリスマで視聴者を魅了したチャン・ヒョク。「俳優にとって、30代半ばから40代が一番輝ける時ではないかと思う」と語っていた彼は、その第一ステージを迎えたようだ。以前より、心なしか自信と余裕が感じられるようになったチャン・ヒョクにインタビューした。

―テギルの役作りで、特に重点を置いたのはどこでしょうか。

「このドラマでは、両班(貴族階級)として登場したところから、チュノになるまでの過程の10年間がはっきりと描かれていません。そこで、コントラストを付けるために、まず肌のトーンに気を使いました。チュノの時は、肌が浅黒くし、両班の時には色白にして、言葉遣いや行動にも差を付けるなど、その違いを出そうと思いました」

―ビジュアルのほかには、どのようにされましたか。

 「チュノの時には、話す時や行動の面でも、ストレートな感じで、両班の時はその反対で、間接的なしゃべり方だったり、受け身の行動だったり、というところを差別化していきました。いろいろな表現をする時にも、両班の時には、純朴な、純粋な目をしていて、世の中すべてのことが気になって仕方ない、というようなそういう人物として表現して、チュノの時には、目的意識がなくその日暮らし、今日だけを生きていけばいいという考えの人物を表現しました。昨日も今日だし、明日も今日だし…そんな考えで生きてきたので、目標がまったくない、目の焦点も定まっていない、そんな印象を与えるようにしました」



―チュノの時のテギルも、シーンによってがらっと雰囲気が変わりますよね。

「そうです。彼は、オンニョンという女性を探しているので、彼女の情報が入ってくると、目が鋭くなっていくという、そういう変化も付けましたね」

―アクションシーンに関しては、どうでしたか。

「今回自分が出ているアクションのシーンは、可能な限り自分でアクションデザインをしました。ソン・テハと戦う時も、市場の中を渡り歩く時も、できるだけ自分が出るシーンは自分で作っていく、ということに力を入れました」

―アクションについては、あまり苦にならなかったと伺いましたが。

「苦にならなかったというわけではなく、楽しく撮れた、というのが正しいですね。アクションは、もともと体力的にも大変だし、基本的につらい作業です。でも今回は、自分でアクションを作って見せるということがあり、楽しむことができたんですね」



―時代劇ということで苦労した点はありましたか。

「時代劇だから特に大変だったという事はないです。キャラクターや物語の構造もすごく気に入っていたので…ただ、時代が朝鮮時代だというだけで、(現代ものと)それほどの違いは感じませんでした」

―では、何か時代劇は違うな、と思ったことはありますか。

「撮影場所が都会から離れているということですか。渓谷に行ったり、山に行ったり、野原に行ったりと、外で撮影することが多かったので、待っている時間が少し大変だったり、食事をするのが大変だったり、という点でしょうか(笑)」

東京=野崎友子通信員

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース